アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
- 3
-
「………なんだ、コレ……」
検索して出てきた花の名前は『アザミ』。
花や葉っぱの刺々しい感じとか色とか、写真とそっくりだから間違いない。
だけど、その花言葉が…
「"厳格"、"人間嫌い"、"復讐"って……どんな花だよ」
調べても調べても、消極的なものしか出てこない。
相当怒ってるってことなんだろうか? やけに刺の多い花だし。
キク科の植物らしいけど、菊の花ってあまり良い印象は持たないんだよなぁ…葬式の時もそうだし…
悶々と考えながらさらにカチカチと検索を進めていくと、一つの検索結果に手が止まった。
アザミの花言葉
──『独立』
「……独……立……」
──『……ごめん…』
こんな時に限ってなんでか汐音の弱々しい言葉が蘇ってくる。
なんで? なんで『ごめん』なんだ…?
…どうして──
「そうだ、あの公園…」
以前、ポストの中に花が入ってた時、公園で汐音に会った。もしかしたらいるかもしれない。行けば会えるかもしれない。
そう思うといてもたってもいられなくて、パソコンの電源も落とさず急いで家を出た。
「……っ、何事もなければいいけど…」
公園に向かう間、不安しか感じなかった。
今までみたいに喧嘩して、でもその後すぐに仲直りしてっていうような生優しいものじゃなくて、もっと漠然とした大きなことのような気がして…それがどんなものなのか想像もできないから、焦りだけが募っていった。
汐音が教えてくれた、俺達の関係が始まった例の公園に着く頃にはとっぷり日は暮れていて、一本の細い街灯が小さな公園を照らしていた。
「はぁッ、はぁッ、──…っ、なんで………」
青白い街灯に照らされた砂地の真ん中にはガタガタに震えた字で『さようなら』とだけ書かれていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
69 / 291