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: Record
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あるところに少年がいました
少年は幼くして両親を亡くし、祖母の家で妹と3人で暮らしていました
少年は生まれつき心臓の病気を患っていて体もあまり強くはありません
祖母は優しくて温かい人です
いつも側で少年のことを見守ってくれます
妹は頑張り屋さんでしっかり者です
宿題だって勉強だって毎日やります
よく気が利くし、友達も多く人間関係はとても円満です
そして、将来は病気の兄を救うのだと、だから医者を目指すのだと言いました
こんな人たちに囲まれて、少年はさぞ幸せだったことでしょう
いつしか時は過ぎ、少年は青年へと成長しました
相変わらず心臓の持病を抱えたまま、体も弱いままでしたが、それでも青年は生きていました
走ることを避け、体調が悪い時には薬を飲み、なんとなく『生』にしがみついていました
なぜそんなにも生きようと藻掻くのか
日々いつ死ぬかもわからない不安と恐怖に苛まれながら青年は考えていました
わからないから、時々その答えを探し、問うのです
『自分は何の為に生きているのか』
『何故生きることに執着するのか』
『そもそも、生きるとは何なのか』
そうして青年は無様に生き続けました
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