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部活
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僕が部室に入ると、部長が待ち構えていたのかのように僕を呼んだ。
「渡瀬君!まだ先なんだけどさ、文化祭で展示する作品制作の事、ちゃんと考えておいてね」
「あ……はい」
毎年行われる文化祭。美術部は作品の展示をするのが恒例だった。勿論参加は自由。だけど部員が少ないせいで、全員何かしら作品を作らなければならなかった。
この話は入部した時に既に聞かされていたけれど、いざ文化祭が近づくにつれ、何をやろうか悩んでしまう。中々やる気も湧かないので、文化祭のことは一先ず置いておいてデッサンでもしようかと席に着いた。
作業をしているときは比較的無心に近い。周りも気にならなくなるこの空気が心地良い。カリカリと鉛筆を走らせながらなんとなしに見た窓の外に、先程ぶつかった金髪の男が立っているのが目に留まった。
派手な頭……
すごい目立ってる。思わず手を止め、僕はその男に見入ってしまった。
「何やってんだろ?」
気になって見ていると、もう一人派手な感じの奴がやってきてその場で何か話し始めた。もう一人の方は色が白くて、やっぱり明るい髪色で、その髪はお洒落にセットしてある。
なんだか二人ともカッコイイな……
あまり見かけないからあの二人は先輩なのかもしれない。あの髪の色とか着崩した制服とか、校則違反じゃないのかな? 何を食べたらあんなに背が高くなるんだろう……。
僕は二人に目が釘付けになっていた。
徐に大きな男の方がこちらを見た。目が合ってしまって少し焦る。そんな僕の気持ちを察してか、先輩らしき大男は僕に向かってウインクをしながら手を顔の横でパタパタさせた。
変な人……
きっと僕はからかわれたんだろうけど、これといって嫌な気分にもならず僕はまたデッサンを続ける事にした。
これが僕と周(あまね)さんとの最初の出会いだった ──
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