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目撃者 康介
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竜がD-ASCHを気に入ってくれたみたいで凄く嬉しい。竜がにこにこ楽しそうにしてる姿も貴重だ。ちょっと強引だったかな? と思ったけど、ライブに連れてきてよかった!
そう、初めはそう思ったよ。でもまさかこんな事になるなんて思ってもいなかった。
ライブが終わり控室に行くことになって、俺はわくわくして控え室に入った。皆んなが気さくに話しかけてくれて、俺は憧れの人達に囲まれて舞い上がっていたんだ。少しすると、周さんが竜の事に気づいて、いきなり竜を抱き寄せた。
びっくりした……
周さんと竜が顔見知りだったのも驚いたけど、周さんの行動があまりにも強引で、竜だって他人とこんなに近くで接した事なんてないだろうからきっとびっくりしていると思って心配した。急に竜のことを抱き寄せたのにも驚いたけど、そのあと打上げに向かう道中も、気付いたら竜は周さんに肩を組まれて歩いていた。
竜の顔から笑顔が消えてる。
竜は人と接するのが苦手だし、ましてや身体を触れ合うなんて今までほとんど無かったんじゃないかな。大丈夫かな? 心配だけど俺だって周りが初めましての人ばかりだから声を掛けにくい……
打ち上げの店に着いても周さんは竜にべったりだった。竜はというと、何か考え事をしてる表情を見せたり、ボーッとしたり。きっと色んな事を目まぐるしく考えてるんだろうな……。
俺は堪り兼ねて、隣に座ってた圭さんに聞いてみた。
「あの……周さんっていつもああなんですか? スキンシップ凄いというか……」
「ん? ああ、そうだな。周ってさ、男でも女でも気に入ったやつにすぐベタベタするんだよ。最初は俺も被害にあったし。でも俺ん時は陽介にぶん殴られてからなくなったけどね」
周さんのこういう生態が分かったものの、俺の兄貴が周さんをぶん殴ったということの方が俺にとって衝撃だった。
あの兄貴が? あの周さんを?……いやいや、それはないだろう。
ふと見ると、周さんと竜が部屋から出ていくのが見えた。トイレかと思って俺も後をついていく。
様子も見られるし、竜とも話がしたかった。
竜たちと少し遅れてトイレに入る。
トイレの前で、俺の目に飛び込んできた光景……俺は信じられなかった。
周さんが竜にキスをしている?
嘘だろ? ……いや、嘘だろ??
驚きすぎて俺は何もできず、そのまま部屋へ戻った。
「お、康介くん おかえり」
「………… 」
圭さんが話し掛けてくれるけど動揺を隠せない。どうしても言葉が出ず、黙り込んでしまった。
前を見ると、いつのまにか周さんが戻ってきていた。そして少し遅れて真っ赤な顔をした竜も戻ってきて、周さんに手招きされるまままた周さんの膝の間におさまった。
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