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肌寒さで目が覚めた。本気で少し眠っちゃったんだな。そう思って俺は体を起こす。もう屋上には誰もいないらしく静かだった。
時計を見ると、もう少しで下校時間だ。康介君は今日は部活かな? やっぱり早く会って謝りたかった。教室に戻って帰り支度をしたら康介君のクラスに行ってみよう。会えなかったら会えなかったで、また明日でもいいいんだ。
とりあえずは前に進もう……
気不味いのはもう嫌だった。
急いで荷物を持って出ようとすると突然誰かに呼び止められた。振り返ってみてみると、確か去年同じクラスだった奴だ。面識はあるけど名前までは覚えてなかった。
「さっき一年の鷲尾とかいう奴がお前の事探してたぜ。もし先輩に会えたら視聴覚室で待ってますって伝えてくれってさ。……なんか思いつめた顔しちゃってさぁ、可愛い子だね」
気持ち悪くニヤニヤと笑いそう言うと、そいつは行ってしまった。
何だよ! 康介君の事、可愛いとか言ってんな! ムカつく!
ムカついたけど、康介君の方から歩み寄ってくれたのが嬉しくて、俺は急いで視聴覚室に向かった。
修斗side終わり
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康介side
竜と屋上でお昼を食べてた時から今日こそは修斗さんと顔を合わせてちゃんと話しをしよう……とそう思っていた。
喧嘩した日からもう随分経ってしまったんじゃないかな。竜にもあまり時間を空けない方がいいって言われてた。俺がさっさと謝ればこんなことにはならなかったんだよね。
教室に入ると、凄い興奮状態の竜が俺を呼んでる。あんなに大きな声を上げる竜は珍しい。でも竜の話を聞いてみて納得した。待ち焦がれていた周さんから連絡があったらしい。散々放っておかれてたっていうのに、あんなひと言連絡があっただけであの喜びようったら、笑っちまう。
今度の土曜日に周さんと会うんだと…。それを聞いてピンときた。その日は確か竜の誕生日だ。竜を放ったらかしていた周さんのやりたい事が少しわかった気がした。
なるほどな……
でも、それにしたってちょっとやりすぎなんじゃないのか?
周さんて、面倒くせえな。
竜、周さんに会ったら めっちゃ甘えるといいよ。
よかったな。
竜の事もひとまず安心。
俺も前に進まなきゃな。
なんて言っていいかわからないけど、とりあえず暴言吐いた事はちゃんと謝らないと……
修斗さんと気不味いままじゃ俺は嫌だ。
俺は放課後、修斗さんに会いに二年のフロアに向かった。
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