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大観覧車
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大観覧車にみんなで並ぶ。この時間だときっと夜景が綺麗なんだろうな…… 僕はちょっとワクワクしながら周さんと一緒に並んだ。
大観覧車はそんなに混んでなく、スムーズに順番が来て最初のゴンドラに陽介さんと圭さんが乗り込んだ。さっきから気がついてたけど、ずっと陽介さんは圭さんの肩を抱いて歩いていた。陽介さんと圭さんはいつも堂々としていて、恥ずかしいとかそういうのを感じさせないのがかっこいいなって思う。
いつも自然体で素敵な二人……
「ほら、来たぞ」
周さんに声をかけられ、僕らもゴンドラに乗り込む。ゴンドラは僕らを乗せてゆっくりと上昇していった。
頂上は地上から110m、だいたい一周するのに15分くらいかかるみたい。段々と地面が遠ざかり、賑やかな園内の声も遠ざかっていく。
二人だけの静かな空間……
僕は窓の外を見る周さんの横顔に見惚れてしまった。
────
陽介&圭 ゴンドラ内
「………… 」
沈黙──
「陽介?」
「……ん、圭ちゃん。隣いってもいい?」
「うん」
「楽しかったね…… 俺ら遊園地初めてだったね」
心なしか少し寂しそうな陽介と、口数の少ない圭……
「そうだな、俺も思ってた 」
「………… 」
外の景色から陽介に視線を戻した圭は、隣に座った陽介の手をそっと握る。
「これからは俺、バイト減らしてさ…… なるべくたくさん圭ちゃんと一緒にいるよ」
「うん……」
日も暮れて街明かりが幻想的にも見えるこの絶景より、二人だけの空間を満喫するようにお互い寄り添いながら静かに会話を続けた。
「……思い出、いっぱい作ろうな……これからもずっと」
「……… 」
陽介は圭の肩をグッと抱き寄せる。
「陽介……」
何かを言いたそうな圭を優しく見つめながら、陽介は小さく頷く。
「うん、大丈夫……わかってる」
そう言って圭の頭を胸に抱きしめた。
陽介&圭side終わり
────
康介&修斗 ゴンドラ内
「すげー! 見て修斗さん、夜景がめっちゃ綺麗!」
「……そだね」
「ほら、あんな遠くまで…… って修斗さん?」
「………… 」
修斗は楽しげな康介とは対照的に黙り込んで難しい顔をしていた。
「ねえ、修斗さん? どうしちゃったんですか?」
「……やだ。早く降りたい……」
窓の外の景色はもちろん、康介の顔すら見ずに俯いたままの修斗はボソッとそう呟く。
「 へ? ……もしかして高いとこ苦手?」
小刻みにウンウンと頷く修斗に康介は驚きを隠せなかった。
「はぁ? 修斗さんさっきがんがん絶叫マシン乗ってたじゃないですか!」
「あれは早えからいいの! ビューってすぐ終わるし楽しいから好きなの! ……これ遅いじゃん。上でモゲッと柱折れたら落ちんじゃん……」
涙目にも見える修斗に、康介は面白いやら可愛いやらでどうしても顔が笑ってしまってしょうがなかった。
「………モゲッって、擬音語おかしくね? ……てか、柱もげないから大丈夫ですよ」
「………… 」
康介は立ち上がり修斗の隣に座りなおした。そして修斗の腰に手を回してギュッと体を密着させる。
「じゃぁ、落ちるときは一緒ですね 」
少しでも恐怖心が和らげばと、康介は修斗に向かってそう言うと「康介、男前……じゃあ一緒に落ちようね」と言って修斗が笑った。
「いやいや! やめて! 俺まだ死にたくねーし……」
「俺、康介と一緒なら落ちても平気だよ」
「だから! なにそれ、俺はやだよ」
恐怖心も和らいだ修斗はいつもの調子で康介を揶揄って大観覧車を楽しんだ。
康介&修斗side終わり
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