アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
周のとある1日①
-
学校はつまらない。登校はするものの授業に出る気にはならず俺は時間潰しに一人屋上に逃げる。いつもの場所。サボる時は大体ここにいることが多かった。今日は朝から殆どをここで過ごしていた。昼飯を食いそびれたけど問題ない。
あいつは今頃なにやってんのかな──
まさかライブに来るとは思わなかった。だってそんなところに来るようなタイプじゃねえだろ?初めて会った時から気になっていたから、意外で驚いたけど正直凄く嬉しかった。小さくてちょっとオドオドしていて、でもあれはきっと芯が強くて気が強いタイプだ。それからずっと竜太の事が頭から離れなくって、修斗に止められるのも無視して俺は昼休みに竜太を探しに走り回った。 どうせ昼休みだし一年の教室にいるんだろうとタカを括っていたけど竜太の姿が見えなくて少しイラつく。するとあるクラスで俺のファンだという奴が、竜太は康介って奴と一緒に屋上で弁当食ってると教えてくれた。
康介?誰だそりゃ?……と思ったけどすぐに陽介さんの弟だと思い出し、俺はそいつに礼を言い屋上へと向かった。
なんでこんなに竜太を探してたのかって?だって修斗のやつが竜太が俺のことを怖がってるなんて言うもんだから確かめたくなったんだ。怖がってなんかいるわけねえ。
竜太を見つけると、ちょっと強引だけど軽音部の部室まで連れて行った。誰も来ない格好の場所
。
「俺が怖いか?」
そう聞いたら、ドキドキする……と言われた。
上目遣いで見られて俺の方も照れ臭くて顔が火照る。
やっぱりこいつ、可愛いな。色が白くて、目が綺麗で……髪の毛でよく見えないけど、整った顔をしてる。俺を見つめる潤んだ瞳に引き込まれそうになる。
俺、やっぱり変だ──
思わずまたキスしちまった。誰にも渡したくないって思って「俺のものになれよ」なんて口走ってしまった。大事なおもちゃを独り占めしたい……そんなガキみたいな心境だったのか。
「周さんて、僕の事が好きなの?」
竜太の言葉に唖然とする。
そうなのかな?
いや、独り占めしたくなるくらいだ……そんなの好きに決まってんだろ。
改めてそんな風に言われてしまうと猛烈に恥ずかしかった。
こんな気持ちは初めてだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
22 / 473