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昼食のあと、灯真を部屋に送り届けて雫が出て来ると、廊下に千景が立っていた。
急いでドアを閉めて、その前に立ちふさがった。
「雫くん。お茶でもいかが?」
壁にもたれ腕をゆったりと組んで、にっこりと微笑む。
「灯真くんもお誘いしようと思ったんだけど?」そう続ける千景に
「いえ、少し風邪ぎみのようなので。」固い声で答えた。
「あら、じゃあお見舞いを。」
ドアに近づこうとするのを噛み付くような視線で牽制する。
「こわい顔。」千景も睨み返すように雫を見つめた。
「・・・・・・。」
「・・・・・。灯真くんになにか聞いたの?」
千景が訊く。
「あなたがしたことですか。」雫がとがった声でこたえる。
ちょうど通りかかったメイドが、二人の険悪な雰囲気にびくりと足をとめ、
会釈しながら足早に去って行った。
「ここじゃなんだから、部屋にいらっしゃい。」
千景の申し出を、咄嗟に断りかけた雫だったが、少し考えて、頷いた。
「僕も、あなたにお訊きしたいことがあります。」
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