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「千景さま?どうかなさいましたか?」
メイドの声がドアの外でして、雫は飛び上がるように体を震わせた。
「千景さま?」
ドアをたたく音が続く。
必死で歯をくいしばって、顎の震えを止めると、まだがくがく痙攣している手を
ついて、よろめきながら立ち上がった。足がもつれる。
壁に背をつけて支えにし、少しづつ、ドアに近づいた。
左手で、一本ずつ引きはがすようにして、震える右手からナイフを落とす。
ドアの外で、金属の触れ合う音がした。
「千景さま。失礼いたします。」
鍵穴がかちゃりと音をたてた。
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