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「ここに戻れるとは思わないほうがいい。」長瀬が冷たく言った。
「先生・・・・。」
「なにより、この私が許さない。行きなさい・・・・・早く!!」
長瀬の怒号に弾かれたように立ち上がった雫は、ちら、とバスルームのドアを見、
医師に頭を下げると、階段を駆け下りた。
「しずく!」灯真の声が聞こえたような気がしたが、振り返らなかった。
玄関ではなく、キッチンのほうに回った。
灯真の声がこだまのように頭のなかに響いた。
ああ、きっと本当に僕を呼んでいるんだ。
ごめんなさい、灯真さん。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
勝手口から庭に出る。
植え込みに隠れるようにして、裏口から屋敷の外へ飛び出した。
そこから一路北へ。
泣きながら駆けた。
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