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大人になった天使
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「勉強不足でごめんな…」
俺はズボンを履きながら溜息をついた。
結局キスをしながら服を脱いだのはいいものの、そこから先はどうすれば良いのか分からず抱き合ってお互いのものを掻きあった。
くそう…童貞でもあるまいし……何たるヘタレっぷり…
今までのスガヤシミュレーションは何だったんだ。
本番に弱いタイプなのか、俺は。
俺がへこんでいるのを察した菅谷はふふ、と笑う。
「ううん、いいの。俺だって男の子同士なんてはじめてだし。」
2回目であってたまるか。
俺はベッドに座るとシーツを体に巻き付けて横たわる菅谷の、そのふわふわとした髪を指に絡めた。
そして視線を、シーツからちらりと覗く肩やつま先に這わせた。
白くて艶かしい身体。
…ああ〜また元気になりそ〜〜
そんな俺の視線に、こそばゆいような顔をした菅谷は「宗吉くんのえっち」と呟いた。
「〜っなんだよ、菅谷だって喘いでたくせに。」
「それを言うなら宗吉くんだって、声漏れてたよ。」
うっ…俺のキモイ声を聞かれてたなんて…恥ずかしすぎるな…
菅谷は起き上がると俺の隣に腰をかけ、肩にもたれかかった。
そして微笑む。
「宗吉くん、ずっと俺の名前呼んで好き、好きって言ってくれたね。」
「あーもーやめろって…恥ずかしいから…ほんと、あんまいじめないで。」
「からかってるんじゃないって。俺嬉しかったんだもん。こんなに愛されてるんだな〜って。」
「…お前は答えてくれなかっただろ。」
「それは……気持ちよくなっちゃって、答えられる状況じゃなかったの。って何言わせてるの!もー…」
菅谷は顔が赤くなったのを隠すように、俺の肩に顔をうずめた。
もうさっきから菅谷が可愛すぎて天使すぎて、本当にここは天国なんじゃないかと。
I'm at heavenじゃないかと。
「そういえばどうしたんだ?」
「なにが?」
「…いや、前にお前、ディープはまだダメって言ってただろ?……だから、何かあったのかと思って。」
「うーん…特に何ってことはないんだけど…
宗吉くん、会長とベッタリだからさ、取られちゃうんじゃないかって焦ってたんだ。
そこで丁度、宗吉くんが、がばっときて、ちゅーしてくれたから…」
「なんだよ…その言い方」
「だって本当でしょ?」
俺がまるで襲ったみたいに言わないでくれ…
俺がはあ、と溜息を吐くと、菅谷はぷちょ、とキスをした。
「これでおあいこ」
〜~~~っ
昇天!!!!!!!!!
そんな調子で2人で甘いひとときを過ごしていると、眠くなってきたのか、菅谷が微睡みながら話し始めた。
「家に…帰ったときにさ、両親に話したんだ。……俺が…男の子と付き合ってて、大学行ったら同棲、したい、って。」
俺はギクリとする。
男子高にいてそういうことに関して鈍くなっていたが、男同士で付き合っているなんて外では敬遠されるだろう。
縁を切る、なんで言われてもおかしくはない。
…それなのに話したのか。
「…それで?」
「母さんは快くおっけーしてくれた!父さんはまだ飲み込めてないみたい。…でも、反対はしなかったよ。」
俺はホッとしながらも自分の情けなさにまた落ち込んだ。
俺だって帰省中に話す機会なんていっぱいあったのに。
むしろ避けて通ろうとしていた。
大学を卒業するまで、いや、それよりもっと先まで言わないつもりだった。
「…俺も…ちゃんと言うから。」
「あ。焦らせるつもりは無いんだよ!…ゆっくりでいいよ。
…もちろんえっちもね。」
そう言ってにやりと笑う。
…なんか一気に菅谷が大人になってしまった気分だ……
俺は愛しい恋人を抱きしめようと腕を拡げた。
しかし
「俺もう眠くなっちゃったから寝るね〜」
スカッ
菅谷はパタリとベッドに倒れ込んでしまった。
俺の両腕は虚しく空気を切る。
く、くそう…ここでお決まりの…
まあいいだろう。珍しく主人公らしい、恋人とのイチャラブ展開になったし。許してやる。
「おやすみ、菅谷」
「おやすみ〜
…あ、もうすぐルームメイト帰ってきちゃうから、着替えて早めに出るんだよ〜」
いや言うの遅い!!!
菅谷はもう寝息を立てていた。
いや寝るのは早い!!!
俺は一目散にTシャツをかぶると、部屋を飛び出した。
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