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自分の命は自分で守ります。
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今日も颯爽と登校してきた生徒会長・高平薫
校門から教室に辿り着くまで、凡人は七分もあれば着くところを、
三七分かけて。
朝から会長に挨拶をする生徒たちで列を作るのだ。
このせいで会長は遅刻をしたことが一度あるが、担任は仕方がないと笑って見逃した。
更にそれを知った親衛隊のメンバーが条令に一項増やした。
〈高平薫生徒会長寵愛法〉
第268条 会長の登校について
第3項
挨拶に会長様が遅刻されるまで時間をとってはならない。
再び1.27のような惨劇を起こしてはならない。
しつこく挨拶する者は処罰が下る。
と、いうことがあり30分まで短くなった。
ちなみに1.27とは会長が遅刻した日である。
「やあ、おはよう宗吉。」
会長は俺の隣に座り、微笑んだ。
周りの何人かが倒れる音がする。
「......おはようございます会長。」
俺はズレた眼鏡を直しながら答える。
「また会長って言ったね?薫でいいのに。」
「いいんです会長。」
薫なんて呼び捨てしたら、この学校中の人から敵とみなされ、抹殺されかねない。
俺は死に急ぐ気はない。
寿命を全うしたいのだ。
「昔は薫って呼んでくれたのに...なんだか淋しいなぁ」
「よっ呼んだことないです!」
いけない、いけない。
周りの奴に聞かれたら厄介なことになる。
俺は全身をつかって全否定した。
会長は「あ...ゴメン」とすこし悲しそうに笑った。
そんな顔をしても無駄だぞ。
俺は命が惜しいんだ。
それもこれも全部、会長のせいなんだからな。
会長はまだ何か言っているようだったが無視した。
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