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悟さん
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俺が紅茶を飲んでいると。
後ろからヌッと腕が伸びてきた。
そしてぎゅう、と抱き締められる。
か、会長か!?と思うと、耳にふう、と息を吹きかけられた。
ゾクッと肌が粟立つ。
そして、低い声で囁かれた。
「おかえり、宗吉くん。」
さらにゾクゾクした。
「さ、悟さん...」
俺がそう言うと、後ろの人物は手を離した。
そして俺の横に座る。
「正解。会いたかったよ、宗吉くん。」
そう言って彼は微笑んだ。
高平家長男・高平悟さん。
会長のお兄さん。
髪は会長や沙希子さんと違って黒いが、顔はやはり似ている。
会長のように中性的ではないけれど。
しゃべり方もとても似ているが、声が会長よりも低いので、わかった。
悟さんは足を組むと、俺の方に向き直った。
「今、私の事を薫だと思っただろう。残念。まだジョセ吉と遊んでいるようだ。」
「そうですね...」
俺は苦笑いして目を背ける。
うう、なんか嫌な予感。
そう思った次の瞬間、悟さんは俺を抱き寄せると、また囁いた。
「じゃあ私は宗吉くんと遊ぼうかな。」
ひええええええ!!!!
俺は心の中で発狂した。
悟さんは俺をお姫様抱っこすると、スタスタとリビングを出ていった。
ずっと見ていた沙希子さんは、「あんまり苛めちゃダメよ~」と呑気に笑っている。
あああ、もう最悪だ。
悟さんに捕まった。
俺は抵抗することもなく、そのまま悟さんの部屋に連れていかれた。
そして、ベッドの上に降ろされる。
薄暗い部屋。
悟さんが扉を閉めて、電気を点けた。
...変わってない、か。
俺は明るくなって全貌が現れた部屋を見渡し、溜め息を吐いた。
棚には手錠や縄や俺が知らないような如何わしい玩具が並んでいた。
......そう。悟さんはドS。
今までもこの部屋でメイドやら彼女やらを調教してきた。
一度だけ小学生の頃に、会長とそういう場面を見てしまってから、俺達のトラウマになっている。
俺も何度かされそうになったが、次男さんと会長がなんとか守ってくれていた。
しかし...
俺は、楽しそうに俺を見下ろしている悟さんを躊躇いながら見上げた。
「宗吉くん。今日は登も薫もいないから、楽しいコトができるね?」
そう言ってにっこり笑った。
......あ。
俺、絶対犯されるわ。
そう、確信した。
そんな宗吉、高2の夏。
俺は目を固く瞑った。
すると、悟さんは、横にボスッと座ってきた。
...あれ?
俺が目を開けてそちらを見ると、悟さんはふう、と溜め息を吐いた。
「なんてね。私が宗吉くんにするわけないだろう?
君は家族のようなものなんだから。」
そう言ってニヤリ、と笑う。
「もしかして、してほしかったのかい?」
なっ!?
俺は立ち上がって悟さんを睨んだ。
「そんなわけないでしょう!?」
「ふふ、まあ落ち着きたまえよ。
私は君に話したいことがあったんだ。さ、座って座って。」
そう言って、隣をポンポンと叩いた。
落ち着きたまえって、アンタが変なこと言ったんだろーが。
俺は渋々座る。
悟さんはポケットからスマホを取り出すと、ロック画面を見せた。
スーツ姿のイケメンの男の人が、コーヒーを飲んでいる写真。
そして、ホーム画面もその人だった。
そして、何枚か画像を見せられる。
どれも同じ人。
スーツ姿がほとんどだが、超ラフな格好でコンビニにいる姿や、女の人と歩いているものもあった。
「...俳優さんかなんか、ですか?」
「違うよ。彼は……」
そう悟さんが言いかけた時、扉が勢いよく開いた。
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