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第一話 始まりの朝
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毎朝恒例の、長い、長ーい朝礼での校長の挨拶。
体育館の中はまだ五月の初旬だというのに蒸し風呂のように暑かった。
しかし、俺はそんな暑さなんて気にならない位、目の前に並ぶ女子達から王子様みたいにカッコいいと言われている朝比奈 悠宇(あさひな ゆう)を見つめるのに必死になっていた。
朝礼は背の順で並ぶ。
俺はクラスで一番背が高く、その次が朝比奈だ。
俺が王子様に勝てるのは、唯一この身長だけ。とはいえ、朝比奈の身長は175cmと女子からしたら十分な高さなのだ。
天然物っぽい栗色の髪に、少しだけつり目の二重の瞳、すっと通った鼻筋に薄くて上品な唇。
一つ一つ完璧なパーツが完璧な配置で並んでいて、綺麗ともカッコいいともとれる顔立ち。
中世的なその見かけに、フェミニストな性格もあって入学早々大層もてている。
高校生にもなったら、やっぱりモテたいもんだろう!?
王子様が同じクラスなのが運の尽き。
女子達は王子様に取り入ろうと毎日攻防を繰り返している。
はぁー‥にしても、勝てるとこ、マジで全然ねぇ。
こうして王子様を睨みつけてみても意味はない。うん、単なる嫉妬だってことは良く分かってる。
なぜここまで対抗意識を燃やすのか、話は数日前の出来事に遡る。
☆
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