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第十三話 名(迷)探偵希! side森田 希
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聡太が横手さんと並んでコートに入る。
何気にハイスペックな聡太は、じわじわと人気が出てきていた。
朝比奈君の事をうらやましそうに見ていたけど、聡太だってあのルックスだし、話しかけにくいオーラさえなくなっちゃえば一気にモテると思うんだけどなぁ〜
まあ、マイペースな聡太のことはさておいて、僕が最近気になるのは・・
並んでコートに入る二人を、眉を寄せて見つめる朝比奈君!
最近僕は朝比奈君の聡太への態度がちょっと気になっている。
着替えの時も、聡太の言葉で赤くなっていたし、聡太を見ている事が増えた気がする。
屋上以来良く話すようになったけれど、そんなに男友達の事見るもんかな?
男女で言っちゃえばよくある事で、女の子に対してしているんだとしたら朝比奈君の態度は分かりやすい。
けれど、男同士だし、なんせモテモテ朝比奈君だ、ありえる?僕の勘違い??ひゃ~気になってきた!!
よし、ここは一つ、この森田希様が探りを入れてみよう!
横に座っている朝比奈君に向かって、少し小さい声で話しかけてみる。
「朝比奈君、赤面症だったの?今まで全然そんな感じしなかったけど・・・」
いつもニコニコ皆の中心で話している朝比奈君が神妙な顔をしている。
「うん。俺も、赤面症は治ったと思ってたんだけど・・・・・・」
「・・・聡太にだけ?」
「たぶん・・・・そう。
でも、あんなにストレートな言い方される事ってそんなに無いからハッキリ分からないんだけど。森田君、何だろうね、この気持ち・・・。」
「・・・・・・・・・」
朝比奈君、包み隠さない!!!!!!
予想外に素直な返答をされて、イタズラ心でしつこく根掘り葉掘りしてやろ~!と思っていた僕は拍子抜けしてしまった。
返事をしない僕を、少し釣った綺麗な二重がじっと見つめている。
美形が真剣な表情をしているだけで、なんだか僕も緊張してきた・・・・
まって!それって・・・・・・
「好き・・・?なの・・・・?」
「・・・・・・・・そう・・・・なの・・・・?」
えーーーーー!!!!
まさかのーーーーーー質問返し!!!!!!!?
ちょっと、眉を下げて聞き返す朝比奈君にトキメク僕・・・
朝比奈君ってこんな可愛いかったの!?ピュアなの!?
その顔持って、今まで何してきたの!?
モテモテ朝比奈君は、自分の気持ちには鈍感なのかな。
聡太はああ見えて、いい意味で人たらしだからね・・・。
何をしても本気で怒らないし、拒絶しない。
僕がまとわりついても、なんだかんだ言いながら受け止めてくれるから、僕も聡太の傍はすごく居心地がいいし、無意識の優しさで触れてくるから悪い気はしない。
友達に嫉妬しちゃったりって時々あるから、本当にただの勘違いかもしれないし・・・。
「僕には朝比奈君の気持ちは分からないけど、そのモヤモヤが晴れるように、協力するよ!」
朝比奈君の両手をギュッと握りこむ。
僕の行動にきょとんとした朝比奈君は、少ししてからふふっと笑って
「変な事言ってごめん、ありがとう。」
と言ってくれた。
好きかどうかなんて本人しか分からない。
面白がるわけじゃないけど、朝比奈君をほっておくわけにはいかない!
変な使命感が湧いてきた。僕が一肌脱ぎましょう!!!!
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