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第五十五話 終わらない幸せ side朝比奈 悠宇
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あれから俺達はしばらく抱き合って・・・
聡太の腕の中、「好きだ」と囁かれながら
髪に頬に・・そして唇に何度もキスをされて。
クールでとっつきにくい外見からは想像もできない位スキンシップが多くて、俺をとことん甘やかしてくれる。
本当に最高の恋人で・・・。
終わった後も、好きな人の体に包まれたままなんて、なんて幸せなんだろう。
今日は本当に色々あったな・・・
疲れていた俺は、聡太の体温が心地よくてそのまま眠りに落ちてしまったーー
・
・
・
「希・・・あ、光さんですか?
・・・本当ですか・・はい。・・・・すみません。
はい・・ありがとうございます。じゃあ、もう少ししたら迎えに行きます。」
すっかり外が暗くなった頃、聡太が誰かと話す声で目が覚めた。
ベッドボードの時計を見ると、20時30分を少し過ぎたところだった。
「聡太・・・?」
「あ、悠宇、起きたか?」
ベッドの脇に座って、俺の髪をクシャリと撫でる聡太。
「誰かと電話、してた・・・?」
「あぁ、小春がどうしてるか希にかけたら、希の兄貴が出た。
二人ともはしゃいで、遊び疲れて寝ちまったらしい。」
「え、森田君も!?」
「フッ・・希らしいよな。せっかく仲良く寝てるから、迎えはもうちょっと後でいいってさ。」
「そっか・・・」
小春ちゃんには悪いことしたな・・
けれど、まだ聡太と一緒にいられる事が嬉しくて。
無意識にほほ笑んでしまう。
「可愛い顔して笑うなよ・・・。」
「え・・」
チュ・・・・
軽く、触れるだけのキスが唇に落ちてくる。
すぐに離れて行くのが少し寂しくて、その唇をじっと見つめていると
またフワリと笑われて。
「今日は、これ以上無理させたくねーから、そんな顔すんなよ。
また、我慢できなくなるだろ・・・。
な、腹、減らねぇ?」
「あ・・減ったかも・・」
「待ってろ。できたら呼ぶから。」
また俺の髪をクシャリとかき混ぜて、部屋を出て行く聡太。
・・・・できたら呼ぶ・・・できたら。
聡太が作ってくれるって、コトだよな・・?
あれ・・そういえば、俺・・・・
布団の中、服が擦れる感覚。
確か‥あのまま寝てしまったのに。
聡太のモノを受け入れて、ドロドロに精を吐き出したハズの俺だったけど・・
布団の中の体はさっぱりとしていて、少しだけ大きな聡太の服を着ていた。
俺が寝てる間に、綺麗にしてくれたんだ‥
俺よりガッシリしてるし・・7㎝差の身長の分少し大きいその服は、ふわりと優しい聡太の香りがして、また胸がギュッとなる。
俺、聡太の事どこまで好きになっちゃうんだろ・・・
初めての感覚が、怖いようで、嬉しくて。
そんな事を考えながら、ふとローテーブルを見ると、聡太が持ってきてくれたお菓子とジュースが置かれたままになっている事に気がついた。
ゆっくりとベッドから起き上がる。
体は少しだるいけれど、好奇心からゴソゴソと這い出してローテーブルに近付いた。
お皿の上には、二層のクリームがパイ生地の中に挟まれたお菓子が二つづつ。
クリームはホワイトとブラウン・・これは何味なんだろう。
パイにはグラニュー糖がパラパラとかかっていて、可愛いし、凄く美味しそうだった。
今、聡太がご飯を作ってくれているけれど・・・小さいし、これ位食べても大丈夫だよな・・!!!
パクリと頬張る。
・・・!う、ま!!!
何これ・・・中のクリーム・・・生クリームと、キャラメル味だ!
美味しすぎて、あっという間に平らげた俺はバタバタと階段を駆け降りた。
「聡太!何あのお菓子!めちゃくちゃ美味しかった・・・!
どこのお店のヤツ!?」
キッチンに立つ聡太が手に菜箸を持ったままこちらを振りかえる。
その目は驚いたように開かれていて・・・
「え、本当か・・?うまかったか・・・?」
「何?何でそんな驚いてるの?聡太、まだ食べた事なかった・・?」
「あ、まぁ、一応味見はしたけど・・アレ、俺が作ったヤツ。」
「え・・・!?手作り!?」
「ん、俺が作った菓子で悠宇が喜んでくれたらって思って・・
最近よく練習してたんだけど・・。
まさか今日悠宇が家に来てくれると思ってなかったから、まだ試作品。
けど、うまかったなら良かった・・・。」
出した時に結構緊張してた。なんて言いながら笑う聡太が可愛くて。
もしかしてだけど、俺がケーキ屋でパイケーキ頼んだの覚えてたから?
「・・・聡太!大好き!!」
「お、わ!」
そう言って、俺は思わず聡太に飛びついた。
「作って、喜ばれるってめちゃくちゃ嬉しいな・・・。」
ぎゅっと抱きしめ返してくれる大きな手。
その手には、菜箸・・・
「あ、料理中だった・・ごめん!」
「嬉しいからいい。けど後ちょっとでできるから。ソコ、座ってて。」
「何か、手伝いたい!」
「んー、今日はゆっくりしてほしいから・・座ってて」
聡太は本当に優しいな・・・
椅子に座って料理をする聡太の背中をじっと見つめる。
白いリネン素材の形の良いシャツに黒のテーパードパンツを少し折り返して履いている聡太。
雑誌、沢山あったもんな・・シンプルなコーディネートだからこそ、スタイルの良さが引き立っている。
で、腰にしているエプロンは・・ピンクの花柄・・・お母さんの・・かな・・・?
完璧なのに、少し抜けてる・・そんな所を見る度胸がムズムズして。
聡太の事が可愛くてたまらない。
聡太には、どの瞬間も最高に幸せだと思わせてくれる不思議な力があるな‥
お皿を持って振り返った聡太が少しビックリした顔。
「悠宇、何笑ってんの・・・」
「あ、俺・・笑ってた!?あは。なんか、幸せだなって思ってた。」
「・・・ッ、そうか・・・」
コトリ、テーブルの上に料理が置かれる。
オムライスとサラダ、それからオニオンスープ・・・
「フワフワの卵がのってる・・・これ、フォークで開くやつ・・?」
「そ、結構うまくできた。」
そう言ってほほ笑む聡太。
二人でいただきますをして、チキンライスの上でプルプルと自己主張する卵の真ん中をフォークで開くと、トロリとアツアツでフワフワの卵がライスにかかった。
「ソースまで作れなかったから、ケチャップで食べて。」
聡太の長くて綺麗な手が俺にケチャップを手渡す。
聡太の動きにいちいち胸がドキドキと高鳴ってしまって・・。
チラリと見ると、形の良い口が大きくアッと開いて、
スプーンを持つ長くて綺麗な指が次々にオムライスを運ぶ。
豪快だけど、綺麗な食べ方・・。
何でこんなにカッコいいのにスグ振られちゃうんだ・・・?
おっちょこちょいって言っても、帳消しになる位優しくて・・・
「聡太・・今まで女の子には、どうして振られたの・・・?」
こんな最高の彼氏なのに。つい思っていた事が口をついて出た。
☆
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