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第六十六話 俺の心配と聡太の心配 side朝比奈 悠宇
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「好きな奴の心配するのは当然だろ・・だから、謝んなよ・・・な?」
そう言って俺に微笑みかけてくれる聡太の顔はとろけてしまいそうな位甘くて格好良くて。
なんて、幸せなんだろう・・少し鈍感な聡太は気がついていないみたいだけど、街に出れば注目を浴びて、学校でだって聡太の事を好きになる子が増えてきている・・・
まさか俺たちが付き合ってるとか思う人はいないから・・・俺に向けるその笑顔を自分にも向けられたいって思う人がもっと増えるんじゃないかってすごく不安になってしまって・・・
「聡太・・・その顔・・・」
聡太が純粋に俺の事を思ってくれている時に、自分の心がつまらない嫉妬で溢れている事に嫌気が差してしまって・・『俺の前意外では、そんな顔しないで。』そんな言葉を続けようとした自分が恥ずかしい。無意識に口をついて出た言葉は最後まで言えるはずもなくて・・・
俺・・・何言おうとしてんだよ・・・。
そんな俺の表情の変化を見逃さなかった聡太が心配そうに続きを聞いてくる。
言わない俺を見て不安そうな顔。
聡太が悪いわけじゃないのに、「気に触る事したか?」なんて心配してくれて・・。
自分がこんなに女々しい奴だとは思わなかったけど・・男のくせにくだらない事を考える俺を聡太はどう思うんだろう・・それを聞いた時の表情の変化を見るのが怖くて、ぎゅっと目を閉じて思いを伝えた。
「今日・・学校でも街でも、皆が聡太を見てて・・聡太が俺に触れたり笑いかけたりするのを見た子達が、聡太の事を好きになっちゃうんじゃないかと思って、そんな笑顔をされる度に周りが気になって・・他の人に、聡太のそんな顔見せたくないって思っちゃったんだ・・。男のくせに、女々しい事言って・・・っわ!」
言い終わる前に、横にいた聡太に抱きしめられて・・・
ガサッ・・・
聡太にもらったシャツの包みが床に落ちる。
そんな事はおかまい無しに、俺を強く抱きしめる聡太。
聡太の香りに包まれて、その広くて逞しい体に包まれるのはとても安心して・・
「良かった・・・嫌われたかと思った・・・」
「そんな!そんな事あるわけないよ!誤解させて、ごめん・・・」
「いや、だって悠宇・・その顔っていったきり、すげー辛そうな顔するから。俺の顔が嫌いになったかと思った。」
そう言って微笑む顔はやっぱり最高にカッコ良くて。
優しく細められた切れ長の瞳に吸い寄せられるように、聡太の頬に右手で触れた。
「俺、聡太の中身はもちろん好きだけど、・・・その・・えっと・・・顔も、すごくカッコイイって・・いつも思ってるよ・・」
俺の言葉を聞いて、微笑んでいた聡太の目がビックリしたように開いた。
何、言ってんの俺・・・やばい、恥ずかしい・・・
自分が言った事が急に恥ずかしくなって、見つめ合っていた視線を慌てて逸らして下を向いた。
「悠宇。こっち、向いて。」
低くて落ち着いた・・けれど、甘さを含んだ声で耳元で囁かれると抵抗できなくて。
真っ赤になっているだろう顔を見せるのが嫌で、目だけ聡太の方にチラリと戻す。
俺を抱きしめたまま、至近距離で聡太が俺を見つめていて・・・
「俺の方が、悠宇を独占してーと思ってる。友達ですら近寄って欲しく無いくらいにな。」
そう言うと、逸らす俺の顔を両手でふわりと優しく掴んで・・
ゆっくりと聡太の方を向かされる。
俺、今絶対情けない顔してると思う・・
「ふはっ・・・本当に、悠宇は可愛い。」
わ・・聡太のその笑い方・・レアだ・・
そんな事を思いながらじっと見つめていると・・
「そんな見られると、なんか、照れるんだけど・・・」
少し拗ねたようにそう言って、チュッとオデコにキスされてまたぎゅっと抱きしめられた。
「あは。引かれなくて、よかった・・」
「むしろ、スゲー嬉しかったし、可愛かった・・。
なあ・・何もしねーって約束・・・無しにしてくんねー?」
「え・・・あっ・・!」
ドサッ・・・
急に後ろに押し倒されて・・
びっくりして目をぎゅっと閉じて衝撃に備えたけれど、頭や体は聡太に包み込まれていて痛みなんてなくて。
目を開けると、俺に重なる聡太はあの時と同じ、男らしくて色気のある表情をしていた。
何もしない・・・そう聞いた時は寂しかったくせに、いざこうなると緊張してしまう。
ゆっくりと聡太の顔が近づいてくる。
そのまま、額にキス、こめかみにキス・・・唇を避けて、耳やうなじ顔中のいたるところにキスが落とされる。
伏し目がちな瞳、長いまつげ、キスをするために薄く開いた形の良い唇・・・聡太の全てが格好いい。
最後に俺の髪にチュッと軽いキスを落として、俺を見つめてふっと笑った聡太が瞳を閉じて近づいてきて・・・
あ・・やっと唇にキスしてくれるんだ・・・自然と期待している自分がいる事に驚く。
チュ・・・
聡太の舌が俺の唇をノックすると、それを合図に少し唇を開いて受け入れた。
チュ・・・チュ・・・クチュ・・
「ふ・・・ハッ・・・ん・・・。」
優しく舌を吸われたかと思うと軽く噛まれて、ビクリと体が震える。
お互いの唾液が行き交い、唇の隙間からクチュクチュといやらしい音が耳に響く。
聡太から与えられる様々な刺激にだんんだん頭が痺れてくる。
キスだけでこんなにも気持ちが良くて・・・
聡太、聡太・・俺の思考も感覚も聡太で一杯になる。
聡太の首に腕を回して抱きよせる。
もっと、近くに。もっと聡太を感じたい。
「んっ、は・・・っ。そうた・・もっと・・」
気持ちは自然と言葉になって、俺の口からこぼれ落ちる。
今・・・俺すごく恥ずかしい事を言ってる・・・
分かっているのに止められなくて。
それに応えるように、聡太の手が俺のシャツに伸びた。
クチュ・・・チュッ・・・
片手で俺の頭を抱えて、俺の顔は聡太の手のひらと唇に挟まれて息もできない位深く口付けられる。苦しいけれど、もっと欲しくて。
俺がキスに夢中になっている間に、聡太はいつの間にか俺のシャツをはだけさせていてーー
「悠宇・・ほら、こんな簡単に裸になるだろ・・・
こんな綺麗な体、誰にも見せたくねー・・」
「聡太・・ンッ・・・!」
俺の体を見つめる聡太の瞳は熱を持っていて、
独り言のようにつぶやいた聡太は、そのまま俺の胸の飾りに口付けたーーー
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