アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
おまけ? TAKE
-
***
【TAKE1】秘密
ガッチン!
………嫌ってくらい歯と歯を打った。
「イっ……てぇ…!」
あまりの痛みに口を押さえてうずくまる。
俺の前歯取れたんじゃねえの、いや大丈夫ついてる、良かった、ああああクソ超ジンジンする超いってえ、そんでもって超ダセえ!
見れば篠も相当ダメージを食らったらしく、俺と同じようなカッコでうずくまってた。
「篠…へいき?」
「わかんないすっごい痛か…った。
ねえ俺前歯折れてない? 感覚ないんだけど」
「こっち向いて『にー』ってしてみ」
「…にー」
「ああ大丈…ばない! うっ、わあああお前前歯どこやったの!?
歯抜けになってるんだけど!!?」
「えっウソ差し歯取れた!?」
やっべ、と言って篠は四つん這いになった。
いや何悠長に『なった』とか実況してんだよそれどころじゃねえええ!
「あ、篠これは!?」
一緒になって目を凝らしてたら白っぽい欠片を発見した。
一安心、と思って手渡すと、
「ありがと先輩、これ奥歯だっ」
「奥歯!?」
「前歯と八重歯であと二本だね」
「二本!? お前どんだけ歯ァすっかすかなの!?
つかあの瞬間になんでそんなに歯が飛んでくだけ…どんだけ大口開けてたんだよ!?」
「あ、血が出てきた……」
「ティッシューーー!!!」
***
【TAKE2】泣きっ面と告白
「好きなんです、先輩」
「俺…先輩のことが、ほんとのほんとに好きなんです。もうどうしようもないんです」
顔を覆うようにふたつの拳を目もとにあてたかと思ったら、
グスン、と鼻をならして篠は続けた。
「さっき先輩は俺のことワケわかんないって言ったけど、俺だって自分のことわかんないんだ」
淡々とした呟きは自分を責めてる様にも聞こえる。
「でも先輩を見たら顔が火照るし、先輩にキスしたこととか思い出すと恥ずかしくて顔が見れない。
まともに話すことも出来ないのに、先輩が俺から離れてっちゃうのも嫌だ。
嫌なんだよ、なっちゃん」
「俺とだけ喋って、
俺だけを見て、
俺に…笑って、欲しいんだ。
俺以外はみんな、なっちゃんの目に映んなきゃいいとかも思う。
誰にも触って欲しくないし触らせなくない。
ビョーキでしょ? 頭おかしいよね、
でもきっとこれを『好き』っていうんだろ?」
グーになった手を這うようにポタリポタリと真っ赤な血液が落ちて、それがやたらとスローモーションに見えた。
…………!!? はっ!!?
「え、ちょ、何お前目ェぐりぐりしながら血を流すのやめてくんねマジ怖えんだけどホラーなんだけど俺実はそういうのダメなんだけどおおお!!!」
「えっ…血…? うわーーーーああ!?
何なんで血だらけ!? えっ、怖っ!!
取ってなっちゃん、これ取って!!」
「ぎゃああああ近寄んな両目血みどろじゃねえか、それなんの嫌がらせなんだよおお!!」
「はっ! そういえばさっきカッターで手、切ったんだった」
「人差し指から親指にかけてをどんなことやったら切るんだよ、しかも両手とも!
もうなんかただの返り血にしか見えなくなってきたんだけど」
「返り血も滴るいい男?」
「それは殺人犯な。ちなみに滴るのは水だからな。ボケてるつもりなら一応言うけど全く笑えねえからな」
「えっ」
「えっ!?」
***
【TAKE3】秘密
「ンっ……!」
あ、ヤバい。
こいつのこういう声、結構クる、かもしれない。
何回かのついばむようなキスの後、追撃と言わんばかりに舌を入れたら驚いたのか面白いくらい肩が揺れた。
呼吸するヒマもないくらい舌を絡めて吸いつく度ぴくぴく動くのも新鮮で、
鼻に抜ける声が漏れるのにどうしようもなく興奮する。
「ぁ…っ、は、んっ…なっちゃ、んん…!」
「っ何」
「なん…ぁ、やっ!? あ、あ、ちょっ…やば……っ! 俺、キス弱い…って、」
「ん、はぁ…知ってる」
「ぁ……ッ、待って、マジ待って、ん、や、なっちゃ…待ってって!!」
ドン、と強く突っぱねられてドアに思っきし背中をぶつけた。
めちゃくちゃ睨まれてるけどどうしよ、全然怖くねえー、
あれ、俺のポジションって襲われるほうだっけ? 襲うほうだっけ?
「お前頑張ればキスだけでイけんじゃね?
ちょっ…さあ、今からやってみる? 特訓してみる?」
「いいです! 大丈夫です! 間に合ってます! 何なんでそんな嬉しそうなの!?
恥ずかしいんだけど、今俺まさに人生の岐路に立ってるんだけど俺!!」
「でもキスはイイだろ?」
「それとこれとは話が別なの!!
このまんまじゃ終われないの色々と!!
もっ…一回出ようこの部屋? 屋上行ってやり直さない!?」
「却下」
「!!!」
「大丈夫だって、キスでイったらすぐやめるから」
「ウソだその顔は、絶対5回はヤる気でしょ!?」
「おしいな7回」
「もっと無理だよ!!!
え、何ホントにすんの、無理だよ無理無理、やだって、そんなん見ても面白くもなんともないっしょ? ね? いや、あ、っちょ、ん……!」
「(あー篠かわいい)」
***
何かに目覚めちゃった夏目。あれ…?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
34 / 37