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○月×日『無になる』★
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学校はおやすみ。
1人でのんびり過ごせる時間はこの週末だけだ。
学校では矢野くんと花村さんからは逃れられないし、こうしてゆっくり出来るのはこんな時しかないと、大の字になってベッドに寝転ぶ。
唯一の趣味である読書も、今はしない。
歩くんを思い出すから。
何もかもシャットアウトして、無になる。
今の僕にはそれが必要だ。
「ゆず」
なのにそうさせてくれない人物が1人。
「矢野くん……」
僕の部屋なのに矢野くんは我が物顔で部屋に入ってくる。
もちろんノックもなしに。
「寝てたのかよ」
「やることなくて……、矢野くんは?どうしたの?」
「俺も。」
矢野くんが僕の横に寝転がる。
狭いベッドがもっと狭くなる。
「俺もやることない。でも1人は……」
寂しい。
矢野くんは寂しいんだ。
山梨先輩を失ったばかりだ、仕方が無いかも。
矢野くんの蒼い瞳が真っ直ぐに僕を見る。
長い睫毛が頬に影を作ってる。
作り物みたいに綺麗に整った顔。
ピッタリとくっついた体、少しずつ綺麗な瞳が近づいてきて、それが閉ざされた時に、僕も自然と瞳を閉じてた。
「……矢野く、ん……」
唇に柔らかい感触。
「ゆず、」
唇が触れたまま矢野くんが小さく僕を呼ぶ。
すごく甘えた声。
矢野くんがどうしたいかわかる。
僕に何を求めてるかわかる。
けど、受け入れてしまったら今までと何も変わらない。
わかってる。
わかってるけど……、
「矢野くん……」
矢野くんの体に腕を回した。
目をぎゅっと瞑って、矢野くんの行動を待つ。
「ゆず、」
矢野くんの大きな手が体をまさぐる。
服をまくり上げられて胸を舐め、吸われる。
体がビクビクと震える。
「んんーっ」
精一杯口をつぐんで、快楽を堪える。
「暑……」
矢野くんが顔を上げて、自分の服を脱いで投げ捨てる。
すぐに汗ばんだ肌が僕の体を抱く。
「あっぁ……ぁぁ」
股の間で矢野くんの手がグチャグチャと音を立てながら動く。
矢野くんは慣れた手つきで僕のソコを解す。
「ここ、使ってないんだな……キツい」
矢野くんが興奮気味に呟く。
「ん……ぁ、篤也さ……とシたのが……」
篤也さんとシたのが最後、そう言い切る前に矢野くんが指を引き抜いた。
「その名前、聞きたくねぇ」
指の代わりに、すぐに矢野くんのが当てがわれて押し込まれる。
「あっ、痛っ」
強引に押し込まれたそれに、痛みを感じて矢野くんの胸に手をついて首を振った。
「悪い」
矢野くんは素直に腰を引くと、浅い所で出し入れを始めた。
「ん、んぅ、ぅぁ……」
矢野くんのは半分も入ってない。
でも気持ちいい。
「ぁ、矢野くん…、きもちぃ、気持ちいっ」
「はぁ……たまんね…」
矢野くんの腕が僕の両脚を抱えて、腰を深く押し進める。
窮屈な圧迫感はあったけど、さっきみたいな痛みは無かった。
痛がらない僕の反応を見て、矢野くんの腰の動きが大胆になる。
ガツガツと突かれて、たまらず射精する。
矢野くんは僕の中から出ていくと、僕の腹の上に射精した。
「はぁ……は……」
「ゆず……」
矢野くんが僕の胸に頬をくっつけて、体を抱きしめてくる。
僕も矢野くんを抱きしめる。
もう、今は何も考えないようにしよう。
無だ。
無。
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