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○月×日『矢野ベース』
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僕は、なんて愚かなんだろう……
矢野くんと寝てしまった。
歩くんが好きなのに…
矢野くんとはただの幼馴染に戻ったはずだったのに…
「おい、ゆず」
僕は矢野くんより先に家を出た。
あの後、二人して朝まで寝てしまった。
矢野くんより早く目を覚ました僕は、矢野くんが起きないように極力物音を立てずに学校の支度をして家を出たはずだった。
けど矢野くんはすぐ僕を追いかけてきた。
「ゆず」
矢野くんが後ろから呼びかけてくるけど、振り向けなかったし、返事もできなかった。
今の僕は変な罪悪感でいっぱいだったから。
歩くんが好きなのに矢野くんと寝た。
山梨先輩と別れて傷ついてる矢野くんと寝た。
もう最悪だ。
「ゆずっ」
矢野くんを無視しながら歩き続ける僕に、矢野くんは痺れを切らして腕をつかんでくる。
「もうしないからっ」
矢野くんに何か言われる前に叫んでた。
「もうしない、絶対……、昨日のは、どうかしてた…」
「……は?」
「どうかしてたの、僕……矢野くんとあんなことしちゃダメだったのに…」
「いや、まぁ……そうかもしれないけどさ、そんな思い詰めることか?別に俺ら初めてじゃないし……何でそんなに取り乱すんだよ」
「……それは…」
「俺下手だったか?最初痛がってたし…」
「えっ、違うよっ」
見当はずれなことを言い出した矢野くんにビックリして思わず矢野くんを振り返ってた。
「だって前に雑だって言ったろ、お前」
「う……、言ったけど……昨日は、別に……」
「下手じゃなかったか?」
「え、ぅん……」
「上手かった?」
「こっ、こんな道の真ん中で話すことっ?」
顔が熱い。
きっと真っ赤だ。
矢野くんのせいで罪悪感がどこかいってしまった。
ほんと、恥ずかしい。
「んじゃガッコ行こうぜ。」
矢野くんがさり気なく僕の手を握る。
「……教室でなんてもっと無理」
「じゃあ家帰ったらな。」
そんなにこだわること?
矢野くんのペースにのまれてしまった。
いつもこうだ、矢野くんベースに染まりやすい僕。
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