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○月×日『ワガママ』
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「ゆず、腹へった。」
幼稚園からずっと一緒にいる矢野くん。
矢野くんは機嫌が良いと僕の部屋にくる。
僕の予定は関係なしに。
今も、自分の部屋みたいに僕のベッドに寝ながらテレビを見てる。
「なんか作って。」
こういう矢野くんのワガママは今に始まったことじゃない。
だからなれてる。
「…何がいいの?」
「んー。ラーメン」
ラーメン…。
作るというほどでもない献立だ。
でも作れるものをリクエストしてくれるならまだいい。
「あ。やっぱいい。食いに出よ」
「え」
「服きろ。行くぞ」
さっさとベッドから降りて服を着る矢野くん。
床に散らばった僕の服を拾って手渡してくれる。
「でも、僕、お腹…」
「早く。」
ぴしゃりと言われて、仕方なく服を着る。
言うこと聞かなきゃ、矢野くんはすぐ不機嫌になるから。
服を着終えた僕の手を、矢野くんは上機嫌で引っ張って歩く。
晩御飯になったラーメンはすごく美味しかった。
けど、僕はやっぱりお腹が痛くなった。
矢野くんのせいだ…
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