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○月×日『決心』
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「矢野くんっ」
学校では矢野くんの隣には彼女がいる。
だから矢野くんが一人になるタイミングをうかがっていた。
決死の思いで声を掛けると矢野くんは振り向いてくれたけど、声をかけたのが僕だと気づくと顔を背けた。
でもそれは想定の範囲内だ。
「花火大会…、行く…の?」
聞きたかったことを質問するけど、矢野くんから返事はない。
「…僕は、いくから、…矢野くんも、きてね…」
それだけ言って、いたたまれなくて走って逃げた。
心のどこかでわかってる。
矢野くんは来ない。
あの可愛い彼女と過ごすのかも。
それでも毎年一緒にその時を過ごしてきた僕と、一緒にいてほしいと思ってしまった。
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