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○月×日『喪失②』
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矢野くんは、僕を裸にすると、躊躇いもなく抱いた。
僕は矢野くんに抱かれてるのに、何も感じられなくて、目の前は真っ暗だった。
体は小刻みに震えていて、心は冷え切っていた。
逆に矢野くんはいつもより興奮した様子で、体位をかえては僕の体を突いた。
この状況で、いつもと違うのはギャラリーがいることだった。
「おい昴平、まことくん萎えてね?」
近くで楽しげな男の声がした。
「なんか震えてるし、大丈夫かー?」
もう一つ、別の声が聞こえてくる。
頬に何か触れた感触があったが、すぐに無くなる。
「おいさわんな。うるせーから黙って見てろって」
二つの声に矢野くんが応える。
僕はただうっすらとした意識の中で真っ白な天井を眺めてた。
早く終わってくれと願いながら、瞳を閉じた。
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