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○月×日『秘め事』
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矢野くんは知らない。
矢野くんの部屋で、矢野くんの友達の前で醜態を晒してしまった僕は、矢野くんの前では何もなかったみたいに接してた。
それは、あの晩のことをなかったことにしたかったわけじゃなくて、あることを矢野くんに知られたくなかったからだった。
学校からいつも通り矢野くんと帰宅して、いつも通り僕を家まで送ってくれた矢野くんを見送った。
矢野くんの姿が見えなくなったのを確認して、僕は家には入らずにあるアパートに向かい、ある一室に入った。
「いらっしゃい」
僕を出迎えてくれたのは一人の男性。
片手に煙草、微笑んだ口から煙をはきながら僕を見下ろす。
「入りな」
中へたくされて足を踏み入れる。
引き返したい気持ちは、なぜか無かった。
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