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○月×日『落胆と』
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「ああ、いらない」
お昼休みに矢野くんにお弁当を差し出すと、矢野くんはソレを制した。
「え、なんで…?」
「花たちと食いに行くから」
矢野くんはそう言うと教室から出て行ってしまった。
「……、…」
僕は何も言えずにその場に立ち尽くした。
矢野くんにお弁当を食べてもらえなかったショックからじゃなく、矢野くんが言った言葉に衝撃が走ったからだった。
「…花村さん…」
矢野くんの言った「花」とは三年生の花村先輩のことで、…あの日に、あの場所にいた人だった。
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