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○月×日『自覚』
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夜中に矢野くんから電話があった。
それがどんな意味を指すかは知っていた。
〝矢野くんの部屋でセックス〟
以前までの僕なら迷わず矢野くんのもとに走ってた。
だけど、あの日を境に矢野くんの部屋へは怖くて行けなかった。
人前でなんのためらいもなく僕を抱く矢野くんを見上げながら気づいてしまった。
…この人は僕をオモチャくらいにしか思ってないって…。
今までだって、そう思わないわけじゃなかった。
気づいてたけど、気づかないふりをしてきた。
でも今は、事実を突きつけられたみたいで怖かった。
思い続けていれば報われるかもしれないと、矢野くんの側で矢野くんを受け入れてきた。
矢野くんが好きだからセックスだってしてきた。
求められるままに。
本当はその行為自体が怖いのに、何度だって受け入れてきた。
限界は超えていた。始めから。
鳴り続ける携帯を、ずっと眺めてた。
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