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○月×日『蒼い宝石』
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カッコ良くて、綺麗で、優しい、矢野くんのお兄ちゃん。
僕も、矢野くんも大好きだった。
最後に会ったの時、将平くんは涙でぐちゃぐちゃの顔をしてた。
そんな顔で、玄関の前で遊んでた僕らを見下ろしてた。
『兄ちゃん?』
矢野くんが将平くんのズボンの裾を握ると、将平くんは自分の顔を手でゴシゴシと拭って、真っ赤な目を細めて微笑んだ。
『昂平、まこと、兄ちゃんしばらく出かけるから、元気でな』
そう言って僕らの頭を撫でてくれた。
大好きなお兄ちゃんの蒼い瞳から大粒の涙が零れて、宝石のように綺麗だった。
今ならわかる。
将平くんは、別れが寂しくて泣いてたんじゃないって。
目を覚ますと、何か変な気分だった。
全然寝てないみたいな……目覚めが悪い。
夢でも見ていたのかもしれない。
すごく懐かしい夢を。
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