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○月×日『つまみ食い』
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「ゆーずーのーちゃん♪」
学校の中庭で矢野くんと二人、日陰でのんびりとお昼ご飯を食べていると、偶然通りかかった山梨先輩が声をかけてきた。
「先輩、こんにちは」
「わー、美味しそうなお弁当だねぇ、柚野ちゃんの手作り?」
矢野くんが持っているお弁当を先輩が覗き込む。
「ぁー…はい」
矢野くんが気まずそうに答える。
最近気づいたけど、矢野くんは山梨先輩の人見知り無い明るい性格がどうも苦手らしかった。
「いいねぇ、こんな可愛い子にお弁当作ってもらって」
そう言いながら山梨先輩は矢野くんのお弁当箱から出し巻き卵を一つ摘まんで口に放りこむと、ご機嫌な様子で去っていった。
「……あの人さ…、いや、なんでもねぇ…」
矢野くんは去って行く山梨先輩の背中を眺めながら、出し巻き卵を口にいれた。
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