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○月×日『内緒』
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「まこと、帰る時間だぞ。…泊まってくのか?」
疲れきってベッドで横たわる僕に篤也さんが声を掛ける。
「俺はいいけど、昂平には内緒なんだろ?」
矢野くんの名前を出されて、僕は体を起こした。
「ん。」
篤也さんが拾って手渡してくれた制服を身につけてベッドから降りる。
「また明日な」
ベッドに腰掛けたまま篤也さんが手をふった。
それに頷いてからアパートを出ると、空は微かに陰っていて、小降りだけど雨が降っていた。
気怠い体に鞭を打って自宅までの道のりを歩く。
体が少しずつ雨を吸って濡れていった。
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