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◯月×日『決断②』
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「俺と付き合うってことでいいよな」
篤也さんが当然と言い切る。
僕はそれに当然驚いて言葉が出てこなかった。
「だって晃平と別れたんだろ?で、俺に報告にきたんだから、そういうことだろ?」
「……えっと…、矢野くんとは付き合ってないです」
「知ってるっつーの。あー、じゃああれだ。セフレ終わらせてきたんだろ?」
セフレ…
はっきり言葉にされたのは初めてだ。
でも間違ってない。
その言葉にショックを受けるってことは、自分でもそうだと思ってたってことだ。
「…僕、矢野くんが好きです…」
そこだけは変わらない。
「いいよ別に。」
「え、……でも、…あの…」
「すぐ俺のこと好きになるって」
そう言って篤也さんが微笑む。
その自信はどこから?と訪ねたくなるくらい自信に満ち溢れた微笑みに見える。
「俺、結構マジだよ。最初はまぁ可愛いな、くらいだったけどさ、今は自分のものにしたいと思ってる。晃平に振り回されてるのに妬けたしな」
篤也さんがゆっくり僕の肩を抱いて、静かに抱き寄せる。
髪を撫でるその手が本当に優しくて、胸の奥の方でキュンって音がした気がした。
「俺は、大事にするよ。まことの嫌がることしない。大事にする」
温かい胸に抱かれて、瞳に涙が浮かんだ。
僕は、僕の体は、それを望んでいたのかも。
心から安らぎたい。
ただ、好いて、好かれて、大事にしあいたい。
この人は、そうしてくれるのかも。
矢野くんとじゃできなかったことが、できるのかも。
「…まこと、うん、て言って?」
耳元で囁かれて、大粒の涙を零しながら頷いた。
「うん」
篤也さんは嬉しそうに微笑んで、僕の頬を手の平で包みこんで優しいキスをしてくれた。
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