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◯月×日『デート』
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篤也さんと街中を並んで歩くのは初めてだった。
小さな祭りに一度だけでかけたけど、2人で外に出かけたのはその一回きりで、こうして外に出るのはなんだか嬉しかった。
「さっきの、買ったのか?」
隣を歩く篤也さんが高い位置から僕を見下ろす。
「はい、面白かったし……記念に」
言ってて恥ずかしくなって、つい先ほど見終えた映画のパンフレットを胸に抱いて俯いた。
「可愛いこというじゃん」
くしゃり、と大きな手で頭を撫でられて、自然と頬が緩んだ。
「いいな、映画館て。新鮮だわ。俺インドアな人間だからさ。こんどは遊園地とかいっとく?」
定番だろ?と、篤也さんが笑う。
僕はなんでも嬉しい。
僕にとっても新鮮だ。
こういう日を何度も重ねていって、本当に心から篤也さんを好きになれる日が来たらいい。
その日も遠くない、はずだ。
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