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○月×日『 時と未来と』
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朝、矢野くんのためのお弁当を作らないようになって、30分睡眠時間が増えた。
一緒に登校しなくなったから遅刻ギリギリなんてことはない。
学校で目が合ってもあからさまに無視。
僕の生活から矢野くんが消えた。
心穏やかなのは、きっと篤也さんの存在が大きい。
けど、山梨先輩に別れを告げられてから篤也さんはどこか上の空だ。
彼のことを過去だと言ったけど、きっとそうじゃない。
まだ山梨先輩を想ってるんじゃないか…
そう疑ってしまうと、僕の穏やかな時間が歪み出す。
「あの、食べないんですか?」
「ああ、悪い。食欲なくて。疲れてるのかな…」
そういって篤也さんは寝室へ行ってしまう。
美味しいと、自分だけのものだっと言ってくれた出し巻き卵は一口も食べてくれていなかった。
冷たくなった出し巻き卵を頬張りながら、これからどうしたらいいのか考えた。
僕は、どうするべきなのか。
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