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○月×日『緊張感』
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先輩が教室まで送ってくれる。
「じゃ、昼休み来るね。帰りも来るから。休み時間はなるべく教室から出ないでね」
「はい。……ごめんなさい、迷惑かけて」
「いいよ、送り迎えくらい。じゃ、昼休みね」
先輩を見送ってから自分の席に着く。
教室内のある一角に人が集まってる。
その中心に矢野くんがいる。
恐る恐る様子を伺うと、矢野くんと目が合う。
慌てて目をそらして、適当な教科書を引っ張り出してそれを見下ろした。
教室にいれば、矢野くんはクラスメイトに囲まれているから、それを振り切ってまで僕に近づいたりしないだろう。
先輩が迎えに来てくれる昼休みまで、席から一歩も動かなければ大丈夫だ。
こんな張り詰めた思いで授業を受けるのは初めてだった。
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