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なんだろう…胸がいたい
美香ちゃん達と一緒に学校に行くことになって並んで歩く。
ぼくとおじさんは手を繋いだままだったけど、なんだか寂しくなった。
ぼくだけのおじさんなハズなのに…優しく頭を撫でてくれるのも、時々うすく笑う笑顔も…ぼくだけのものなのに…
今はちがうみたい。
美香ちゃん達はおじさんの腕にくっつきながら話している。
でも、こんなこと言ってもただのわがままだから言えないけどね
お母さんにもあんまり迷惑かけないようにって言われてるし……
「……ま、ありま」
「……っへ?」
「学校着いたぞ?」
ぐるぐる考えながら歩いてると、いつの間にか学校に着いていて、おじさんがぼくの名前を呼ぶ。
美香ちゃん達は先に教室に行ったらしく、校門に立ってるのはもうぼくとおじさんだけだった。でもぼくはなんでかおじさんと離れたくなくてぎゅっと手を握ったままでいた。
「…ありま?どうした〜」
「………」
わかんないよ…
自分でもわからないけど…今はおじさんと一緒にいたい
でもダメだよ
ほら、おじさんすごく困ってる…それにもうすぐHRも始まっちゃうし…
ずっと黙ったまま俯いてると、おじさんがぼくの前に膝をついてぎゅっと抱きしめてきた。ちょっと苦しかったけど嬉しくて…
よしよしと頭を撫でながらおじさんはぼくを離した。なんだかさっきまでのモヤモヤが消えたみたいで胸のなかがスッキリしてた。
「…じゃあまた4時に迎えにくるから」
「ん……ばいばい、おじさん」
ぼくがためらいがちに手を振ると、すこし笑いながら手を振りかえしてくれた。
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