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「………ふぁ…んん」
校門をぬけてよろよろと有馬のところまで歩いていく。今日は1日中仕事をしていたせいか疲れがたまってさっきからあくびが出ていた。
あー……髪もボサボサのまま来ちったなー
ボリボリと首の後ろをかきながら有馬の姿を見つけるとまたこの間の子と話していてチクっと心が痛んだ。
なーに子供相手に妬いてんだかー……
自覚はあるのになぜかムカムカする気持ちは大きくなるばかりだ。有馬はその子と分かれたあとにおれに気づいてニコーっとこっちに笑顔をむけてきた。
あー……愛しいなあ…
「おじさん、ただい……っわわ」
有馬の前まで歩いていってのしかかるように覆いかぶさった。ぎゅぅ…と有馬が離れていかないように抱きしめる。
「……はぁー…つかれたー…」
「お、おじさ……ちょっと恥ずかしい…かも」
「ん、おおー…すまんすまん。ちょっとボーッとしててな」
そう言うとおれの腕のなかから心配そうにこっちを見上げてくる有馬の顔があった。
「はは、そんな心配そうにせんでもなんともねーよ?ほら、帰るぞ」
「ん、はぁーい」
ポンポンと頭を撫でてするりと手を繋いだ。
すこしずつ太陽が傾いていくなかで、おれは今日何度目かのあくびをした。
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