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「もうすっかり暗くなっちゃったねー……まだ帰りたくないなぁ…」
辺りが暗くなって灯りがより一層映えてきたころ、有馬が寂しそうにそう言った
おれは子供を相手にしたことがあんまりないからこんなときなんて言えばいいかわからん……
内心で戸惑ってると、くいくいっと手を引かれた
「…来年もぜったい…ぜったい一緒に来ようね!!」
綺麗に整った子供らしい可愛い顔が
「…ああ、そうだな!」
寂しそうに…でも嬉しそうにゆがむころ…
ドドーーンっ!!
「…っへ!?な、なに?」
背後で大きな音が聞こえたと同時に、華々しいほど綺麗な花火が舞って遊園地全体を包みこんだ。
瞳いっぱいに広がる鮮やかな色は有馬にとって衝撃的だったみたいではしゃぐわけでもなく、ただ目を奪われたみたいに魅入っていた。
「きれい……!!こんなにきれいなんだね!!」
「ああ…!!おれもびっくりした!」
まさかクライマックスに花火があるなんてな
有馬の隣で膝を曲げて腰を引き寄せ抱きしめる。有馬もキュッとおれのほうに抱きついてきたからついドキッとしてしまった。
……相手は子ども、相手は子ども…
ぎゅっと自分に言い聞かせる
「そろそろ帰るか。最後にやりたいこととか食べたいのあるか?」
「んーん、だいじょーぶだよ!」
「そーか?んじゃ、帰るかー」
「おー!!ふふふっ♪」
当たり前みたいに有馬の小さな手を握る。有馬はおれの隣で楽しそうに笑いながら今日一日のことを話だした。
「ジェットコースターはちょっと怖かったけどすっごく面白かったしー、お化け屋敷はすっごく怖かったけど」
「有馬」
「ん?なぁに?」
有馬の言葉をさえぎって名前を呼ぶと、くるっとこっちを向いて不思議そうに見上げてきた。
「今日…楽しかったか?」
ゆっくり…
確かめるように聞くと
「…っうん!!すっごく!!」
有馬も一生懸命自分の気持ちを表現しようと顔を真っ赤にしながら言った。
それがすごく嬉しくて繋いだ手に力をこめた。
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