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ピピピピっ…ピピピピっ…!!
日曜日 ー 運動会当日
おれはいつもより早く起きて運動会にむけてのお弁当作りをしていた
「…うーん、こんなもん…か?」
すこしだけ焦げた卵焼きにポテトサラダ、切れ目がすこし不恰好なタコさんウィンナーにおにぎりという簡単なものを作っていく。
最後にデザートのリンゴやらパイナップルやらを詰めて完成だ。
誰かのために弁当なんて…ましてや子供だぞ?絶対過去の自分に言ったって信じないだろう……
くあぁ…っと欠伸をしながらソファに座る
にしても……昨日有馬と行った遊園地、良い資料になりそうだな。次の話に使ってみるか……
あと昨日の有馬の嬉しそうな顔ときたら……
思わず思い出してしまい、ふにゃっと頬が緩む。満面に笑うあの笑顔、お化けに怯える真っ青な泣き顔……はぁぁー…可愛い
「おじさーーーーん!!たいへんたいへんたいへーーーん!!!」
「うわああああ!!?びっっ…くりしたぁぁ…。おい有馬、頼むから朝から大声だすな…」
1人で昨日のことを思い出しながらニヤニヤしてると、いきなり2階からドタバタと有馬がおりてきて慌てた様子でおれの所へ走ってきた。
なにかやらかしたのか…?
落ち着かない様子でワタワタしてる有馬を見ながらどうしたのか聞いた。
「ええとね!ぼく、今日運動会に出るからね!!」
「…?うん、知ってる」
「??……だか…ら、あの…、」
「……んん?なんだ、どうした?」
有馬は服をぎゅっと握りしめて声を出そうとするが、なかなか言えずにいた。
……なんだ?まったく分からん…
いくら考えても答えは出なかったので、有馬が教えてくれるのを待つ。そして有馬がもじもじと顔を赤くしながらも、怯える様子で口をひらいた。
「えっ…と…、お昼ごはん…ど…する?」
え…お昼…?
「昼ならお弁当作ってるから大丈夫だぞ?」
そう言った瞬間、有馬の顔はパァァっと輝いて嬉しそうにぎゅっと唇を噛んでいた。
おれはその有馬の様子にビックリしすぎてしばらく固まってしまった…
「…う、ぁ…ぁり…がとう…おじさ…っ」
「……っ!!」
「ありがと……ありがと…」
なんだ……この違和感…
「………弁当くらい……当たり前だろ?」
『普通』のことを知らない有馬
『普通』のことにすごく怯える有馬…
なんだ?この変な感じ……
おれはなにか…とんでもないもんを見逃してるのか…?
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