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『第1列目、前に出てくださーい!』
その合図で1、2年生が前に出てお互い協力し合いながら走っていく。
おーおー、やってるな!
その様子を遠くの観客席からのんびり眺める。
どうやらテントの場所は地区ごとで決まってるらしく、おれと有馬は美香ちゃんのとこと一緒のテントだった。
先にテントに入ってた美香ちゃんの家族にかるく挨拶をしながらおれも腰をおろす。
俺だけだなぁ……1人なの…
「……有馬はどこだ…?」
荷物を置いて目をこらしてみるけど人が豆みたいな小ささでまったくわからなかった…
これは……思った以上に写真を撮るのは大変そうだな
そうこうしてるうちに競技がおわり、次は有馬が出場する玉入れがやってきた。
「うおっ!やべぇ…どこにいるかわかんねぇ!!」
これは下手すりゃ未希達に写真を送れないという事態になりかねない!!!
仕方ないっ!!これはテントを出て探すしか…っ!!
そう思い、急いでテントを出て走る。
たしか有馬のクラスは……ここら辺だよな?
キョロキョロしながら目を凝らすと、赤帽子をかぶった有馬が立っているのが見えた。
ホッと息を吐いて一生懸命玉を投げている有馬に声をかける。
「…ッありま!!!がんばれ!!」
人混みの中だったからちゃんとおれの声が届いたかなんてわからない。
だけど…
だけど一瞬だけ…有馬がおれの声に反応したように見えたんだ…
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