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『次は、いよいよ最後の競技になりました!クラス対抗リレーです!!6年生は準備してください』
「……ッ!!」
うわ…っ
ついに1番嫌な競技があぁ……!!
最後の競技で盛り上がるクラスとは対照的に暗くなる。
ぞろぞろとグラウンドの中心へ移動して、それぞれの位置へとまた移動した。
おじさん……この競技は見てほしくないなぁ
都合よく寝ててくれたりしないよね?
チラッと様子をうかがってみると、ジーーッとカメラをまわしながらこっちにヒラヒラと手を振った。
「………」
「ありまーー!!早く来いよー!」
「あっうん!ごめんね」
慌てて走ろうとしたら、足がもつれて転けそうになる。ぐらっと視界が傾いた瞬間、目の前に影ができて誰かに受けとめられた。
「…ッん!あ、わ、ごめんなさい!!」
見ると、優しい顔をした優希君だった。
「大丈夫?走る前から転んだら大変だよ?」
クスッと笑ってポンポンと頭を撫でてくれる。なんだか恥ずかしいな…
その後、先生の合図でリレーが始まった。
今のところ僕のクラスは買っていて、ほっと胸をなでおろす。
だんだん自分の番が近づいてきて、緊張で身体を強張らせていると、ポンっと肩を軽く叩かれた。
「だーいじょうぶだよ有馬くん!思いっきり走ってきな!!」
彼女は僕のクラスの藤堂 千花(とうどう ちか)ちゃん。学級委員を務めてるんだ。
「あ…りがと、がんばる!」
まだガチガチのままそう言うと、面白そうに笑われた。
でもそのおかげで、少し気が軽くなった気がするから僕も自然と頬が緩んだ。
そうしてると、僕にバトンが渡されて自分でもびっくりする程に足が前にでたんだ。何度か転けそうにもなったけど、みんなの力になりたくて一生懸命走った。
「…ッはい!」
次の人にバトンを渡し、その場でクタ…と座り込む。
疲れた……
また僕の身体…震えてる
「……ふふ」
嬉しい嬉しい!!
少しでもみんなの力になれたのが、こんなに嬉しいなんて……
こんな気持ち……初めてだ
気づけば、僕のクラスが1位でゴールをしてて、みんなでまた笑い合っていた。
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