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駐車場に車を停め、店内に入る。
まずい、ちっと人が多い時間帯に来ちまったな……
中に人はあんまり並んではなかったが、座るところがなさそうだった。
仕方なく、順番待ちのために椅子に座ると、有馬がキョロキョロと周りを見渡しながら俺の膝の上にためらいながら座った。
………なんでわざわざ俺の膝にのるんだろう
俺の隣に空いてる椅子あるぞーありまー
心の中で呟くが、当然本人には伝わることはなく。。
なんとなしに騒がしい店内で時間が過ぎていく。
ふと、俺の少し下あたりにある有馬の頭を見ると、ぷるぷると震えていてびっくりした。
「どど、どした!?なんかあったか!!?」
俺はどうしたらいいか分からず焦ってると、見上げてきた有馬の顔はすこしツラそうでズキっと胸が痛んだ。
「…おじさんッ……ぼく、もう限界だよお」
「はぁ!?な、なにが…」
そう言いかけたあたりで、俺に寄りかからんとする有馬の姿勢の良さと、バランスを取るように座ってる状態に気づく。
ああ、少しでも俺の負担にならないようにしてくれてんのな。
でもな、有馬……
お前が座れる場所は他にもあいてるんだぜ?
ふっと笑いながら座るところを変わって、代わりに隣の空いてる椅子に腰掛ける。
その後すぐに、店員に番号を呼ばれてカウンター席へと移動した。
後から聞いた話だが、有馬は隣の隣に座っていた大柄なオヤジが怖かったらしい………。
それを聞いたときの俺はまた腹を抱えて笑ってしまったことは想像できるだろう。
ホントこいつ……
……可愛いすぎだ。
今この瞬間が幸せすぎる。
俺はきっと……自分のこのどうしようもない感情に気づいてる。
……ま、一生こいつに伝える気はねぇけどな
隣で寿司のメニューを睨んでる有馬を眺めながら、静かに目を閉じた。
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