アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
68
-
それから有馬はサーモンとマグロを交互に食べていって、俺はかんぱち辺りを食べて夕食を済ませた。
帰りは車でそのまま家へと直行して、その日はまっすぐ寝室へと向かった。
「ふう〜……つかれたぁ」
「ん、もう寝ろ」
ボスっとベッドに飛び込んだ有馬にそう言うと、トロンと眠そうな顔を布団から覗かせた。
「……今日はありがとう。すごく、楽しかった…」
「おう、そりゃよかった」
「……こんなに楽しい毎日……ずっと、ず〜っとって……思っちゃうよ」
だんだん有馬の瞼が閉じていく。
「そんなの………ぼくには…もったいない………かなぁ?」
「そんなのに……勿体ねぇとかねーんだよ」
おまえは幸せになっていいんだよ。
…とか、クサイことを心の中で呟く。
スースー…としずかに寝息が聞こえてきて、有馬が寝たのがわかる。
「……おやすみ、ありま」
くしゃっと、さらさらの髪を撫でる。
すると、有馬が小さく開けたままの口から声をもらした。
「……おじさん……おじさ、ん」
………
そんな縋るように呼ぶなよ…
無意識に呼ばれて、胸が痛くなる。
「おじさん………?」
「……ん?なんだ〜?」
ふらふらとさまよう有馬の手は、自分の髪に触れてるおれの手に重なり、温もりが広がる。
「…ずっと………ぼくと…いっしょ……に」
ずっと一緒に……
そう願う有馬に、おれはなんて言えばいいんだろう。
普通ならばここで迷ったりしないで頷くところなんだろう。けど、俺は迷ってしまう……
約束してしまうのが………こわいんだ…
有馬を俺なんかで縛りたくない…
だけど、有馬を自分だけのものにしたい…自分もいる。
……こんなに辛いもんなんだな
俺はいつから有馬のことを、こんなに好きになっていったんだろうか。
「………初めっから、か」
1人、静かな部屋に響いたおれの声は、灯りとともに消えていって俺も眠りについた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
69 / 75