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今日は有馬の学校は運動会があったため、平日だが休みらしい。
珍しく有馬が遅くまで寝てる。
「うお〜い、もう10時だっての…」
俺も起きたのが朝食に微妙な時間だったから、朝食はとばして昼飯を作っている。
一向に起きてこない有馬に呆れたように呟いて2階に行こうとしていると、突然インターホンが鳴り響いた。
「んん?誰だ?」
知り合いの少ない俺の家に人が来るってことは………あいつか?
ゆらゆらと歩き、鍵を開けると、目の前に大柄な男が立っていた。
きっちりセットされた単発にスーツは、いつも締まりがない甚平にセットしてないピンピンの長髪の俺には目に毒だ。
ダメな人間みてーだな。俺…(笑)
へらっと自傷気味に笑ってると、無表情のこの男がズイッと靴をぬいで中に入ってきた。
「おいおい、遠慮ねえなあ……何の用だ?」
わしわしと髪を掻きながらそう聞くと、振り返りざまに頭上に拳が落とされた。
「…ッい”!?だあぁ!!な、なんだよ!?」
グーパンで殴られ、星をとばしてると、ギロっと人でも殺せるような目で睨まれてしまった。
言い忘れたが、こいつ…荒代 良樹(こうだい よしき)は俺の小説の担当だ。
仕事真面目人間で、完璧主義者。でもその誠実さでさっぱりした顔だからか、結構モテるらしい……
わからん……俺にはただの鬼にしか見えない
「なんだ…だと?お前、あと3日であげないといけないこと…知ってるよな?まだ何も見せてもらってないんだが?」
「は、あぁ!?そんな訳ねーだろ!だって…1週間前にそっち送ったぞ?届いてねえの?!」
いや、確かに郵便した。
有馬の運動会に出るべく、徹夜で仕上げたのだ。
そう必死で訴えるが、聞く耳をもたずにまた怒りの鉄槌がおれの頭にふりそそいだ。
その異常な騒がしさに目を覚ましたであろう有馬が階段をおりてきて、家の中にいる大柄な男をその目にうつした。
「……?…??」
まだ寝ぼけてるようで、目をコシコシ擦っていて階段の最後の段のところまで来てピタッと止まった。
「おい……誰だあの子供は」
「あーこいつは俺の弟の子供でな。海外での仕事があらかた終わったら帰ってくることになってるんだ。それまで預かってるだけ」
「………おまえ…ちゃんと世話できてんのか?」
説明し終わったあとに、そう神妙な面持ちで言われ、何も言い返せないでいた。
すると、やっと覚醒したのか、有馬がキョロキョロと周りを見渡したあとに初めて見る男を見つめた。
「ヒッ…!!わあぁ…」
そう小さな悲鳴をあげながら、タタタタっと2階へ逃げられてしまった。
「………」
あ、地味にショック受けてんなこれ…
ズーン…と音がしそうなほど萎んでるこいつを無視し、有馬を呼びに2階へと向かった。
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