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「ありま、大丈夫だから出てこい」
ふかふかの布団にくるまってる有馬に声をかけると、そのままズルズル引きずりながらぽすっとおれの腕の中に収まった。
布団ごしだからか、ふわふわしてて気持ちいい。
「……おちついたか?」
「…ん、おじさん、さっきの人……だれ?」
まだ不安げな有馬の頭をよしよしと撫でながら説明すると、なんとか納得してくれたみたいで、トントンと二人でリビングへと戻った。
「………」
う、うわぁ……空気重いな
そこには、ソファーにドカッと座り、さっきよりも眉間を深くした荒代がいた。
「すまん、遅くなったな」
「…いい、気にするな」
ふぅ…とため息混じりにそう言われた。
頭をがしがし掻きながら心苦しくなってると、有馬がおれから離れ、台所に向かったと思うと恐る恐る荒代にお茶を出していた。
うおおお優しい!!!うちの子優しいいい!!!
「……ありがとう、偉いな」
荒代は、有馬がコップを置いたあとにさっきまでの仏頂面をくずし、優しく笑って有馬の頭を撫でた。
「…っう、あ、いえ…!」
有馬は、荒代の意外な反応に顔を赤くしながらまたパタパタと俺の方に走ってきた。
こいつって……こんな顔もすんのか
「おい荒代。普段の打ち合わせのとき俺にも優しくしろ」
そうジロッと睨んで言ったが、鬼の形相で睨み返されてしまってビクッと肩があがってしまう結果におわった。
「いいからお前は早く原稿持ってこい!!どーせ送ったっていうのはお前の勘違いに…」
「いや違う違う違うほんとに送ったって!!俺は覚えてる!!」
……多分ほんとに送った!!多分…
「じゃあその完成原稿は今どこにあるんだ!?俺のとこに届かなかったんだ。間違った場所に届いてる可能性がある!」
はああぁ!?長年お前の住所を書いてきた俺が今更間違えるわけねーだろ馬鹿!!!って言ってやりたいがなんか自信無くなってきた……はは
ん?待てよ?
たしか運動会に行くべく必死に小説を書いていたよな?そんでヘロヘロ瀕死状態で書き上げて急いで封筒に住所と名前を書いた。
書いた……のは確かだが、もしかしたら…
「……っ!!」
「!?」
いきなり走り出した俺にくっついていた有馬がびっくりしていた。
そしてすごい勢いで俺は片手に原稿用紙の入った封筒を抱えて戻ってきたのだ。
まじでやべぇ
「どうゆう事か説明してもらおうか?」
「………ほんと…俺が悪かったです!!!」
そして俺は気持ちがいいほどのスライディング土下座をしたのであった。
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