アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3日目 ゆうすけ
-
家に帰ったら、幽霊がいた。
…とか、まあふつーの奴に言ったら頭イっちゃった可哀想なやつ、って思われるんだろうけど、生憎嘘じゃねぇから困る。俺は嘘はつかねぇ、ただ信じてもらえねぇことは言っても仕方ねぇから、誰にも「幽霊がみえる」なんて話をしたことがない。
それに比べて同居人…いや、同居霊は嘘つきだ。
ヒロと名乗る霊の目の色はコロコロとかわる。赤かったり黄色かったり緑だったり、虹のように変わる。こいつが本音を隠す度に違う色になるもんだから、一体どれが本当の目の色なのかわからない。今までいろんな霊を見てきたけど、こんなインチキくっせぇ霊は見たことがない。
霊ってのは基本的に「この世に未練がある」場合にのみ現世に縛られる。こいつは「未練なんてこれっぽっちもない」と言い切ったけど。
ガキの頃から霊が視えていた俺にとってはウンザリする対象なわけだ、霊なんて。
正直どうでもいいわけだ、霊なんて。
オナ禁しなきゃなんねーし、ようやくあのクソだるい寺から出て一人で暮らせるようになったのに、何が悲しくて幽霊と二人ぐらしなんてしなきゃいけないんだ。
…って、不満はあるけど、部屋の真ん中に突き刺さった杭に大袈裟なほどデカイ鎖で繋がれたこの男に出ていけと言ったところで無駄。
しゃーねぇよなぁ。なんでココに繋がれてんのかわかんねぇけど、俺はこんな胡散臭い奴なんてしらねぇ、完全に初対面だし。まあどうせ一ヶ月もしたら勝手に消えるし、どうでもいい。こいつが嘘つきだろうがなんだろうが、俺には関係ねぇし。
「ホンダ!部屋荒らすなって!!」
「なーに?意外と潔癖なの?俺ヒマで死んじゃいそーなんだよねー!どこにエロ本隠してるのかなー?」
「うっっっぜええええ!追い出すぞこのやろー!!」
「追い出してよ是非ともたのむよ、どうせならかわいい女の子の部屋がよかったよー!」
「ムッツリだーーーー!」
同居人は嘘つきだ。こういう奴に関わらないほうがいいのは分かってるのに、なんつーか、なんで俺、こんな受け入れ体制はいってんだろ。やむ終えないっていっても、存在ごと無視すりゃいいのに。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 65