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28日目 ひろむ
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生きているときには感じたことのない感情。俺は初め君に嘘をついた。君が俺の名前を呼ばないように嘘をついた。だって情が移ることが怖くて仕方がなかったから。移らない自信はあったけど、まったく俺に興味がないといった顔をされたから、なんだか面白くなくって気がつけば必要以上のちょっかいをかけていた。
自分が引いたはずの線を、自分で超えていた。
「もうすぐ消えちゃうんだからさ、なんか思い出になるようにいっぱい話しようよ」
「成仏したら記憶なんかなくなるっての」
「それでも、さ」
死んで、人をすきになった。
死んで、初めて、嘘をついたことを後悔した。
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