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46日目 ひろむ
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「今日をいれてあと四日でキミ、誕生日だねぇ」
「そーだな」
「俺、キミにプレゼントあげる前に消えたらどうしよ」
「悪霊になる可能性もあるだろ」
「そーだった。俺ってなにを手にいれたらいいのかな」
「しんねーよ、分かってたら一日目に成仏させてるわ」
「ははっ、そうだね、そしたらキミがこんな思いをすることもなかったのにね」
「別にお前をすきになったことは後悔してねぇよ。お前が消えたら俺はもっといい女みつけて、結婚して、子供産んでもらって、お前にザマーミロって言ってやる」
「是非是非そうして、俺って地獄逝きかもしんないからキミのこと見てあげられないかもしれないけどね」
「なんだっけ?ちちんぷいぷいでなんとかなるだろ」
「そんなのでなんとかなるなら犯罪者はみーんなちちんぷいぷいって唱えながら死ぬよ」
「それもそーだ。」
「たのしかったよ、今日まで」
「まだ消えねぇだろ、消えるときに言えよそういうことは。」
「分からないよ、だってなんかおかしいんだよね、俺」
「あ?」
「時々、記憶がぶつっ、と切れるの。もうほんと、消える前兆なんだろうね」
「だから、たまにぼーっとしてたのかお前」
「そうだね。なんだかね、ずっと感覚なんてなかったのに、最近寒くてたまらないんだ」
「布団はいれよ」
「はははっ!馬鹿な子、俺死んでるんだよ?そんなのであったまるわけないじゃん」
「なあ、お前ってほんとに、消えんのか」
「消えるんだろうね。なんとなく、わかるよ」
「……消えるなよ」
「女みつけて結婚して子供産んでもらって、幸せになるんだろ?なにいってるのさ」
「冗談に決まってんだろ」
「それが正しいんだよ。ねぇ、お願い、俺のこと、ちゃんと忘れてね」
忘れないで、忘れないで、俺とキミの49日は、俺の人生で一番幸せな時間だったんだから。
どうか忘れないで、どうかどうか、どうか、俺を、忘れないで。
「約束だよ」
でてくるな、涙!嘘がばれちゃうじゃないか!
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