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あの夏の日
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「お疲れ様です。」
俺は同僚に挨拶をして、会社を出た。
時刻は午後六時半。
久しぶりの定時退社。
あー。
ここんとこずっと残業続きだったからなぁ。
今日はお酒買って帰ろうかな。
ビール飲みながら、撮り溜めしたドラマを見よう!
そんな事を考えながら、家までの道を歩く。
途中、コンビニによりビールとつまみを購入。
まだ、明るいうちに帰れる事にわくわくしていた。
いつもの見慣れた道。
俺ん家のマンションの前。
同じ年くらいの男が一人、座り込んでいる。
誰かを待っているのだろうか。
何度も時計を見たり、あたりをキョロキョロと見回している。
だんだん、そいつとの距離が縮んでいく。
「あー!見つけたっ!!」
俺が横を通りすぎようとした時、その男は俺を指指して立ち上がった。
ぎょっとして俺は後ずさる。
「立花!お前、立花だろう?」
「は?え?」
まぬけな声を出して口をぱくぱくさせていると、こともあろうにそいつは俺に近づき、俺を抱き締めた。
「会いたかった。」
切ない声でそう言ったそいつの言葉をどこか遠くに聞いていた。
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