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「ねぇねぇ、正ちゃん、大沢くんって彼女居るんだって。知ってた?」
登校途中、巫女都は自分が聞いた時、凄く驚いたクラスメイトの交際事情を話してみたが、正太郎は「知らねぇし興味もねぇ。」とはっきり告げる。
正太郎は基本、巫女都以外の事に無関心だ。
佐倉家の次男坊で、次男にも関わらず兄弟で切磋琢磨するよう、名に太郎が使われている。
正太郎の母と巫女都の母は学生時代からの親友で、昔から子供が産まれたら、結婚させようと固く誓い合っていた。
だが巫女都が男の子だった上、巫女都の母の痛いからもう二度と産まない。の一言で約束は反故と成ったが、巫女都が成長すると共に正太郎の母が、長男居るし正太郎をいずれ婿養子にあげるよと言い出し二人の婚約は本人達の了承を得る事無く着々と決まった。
「正ちゃん、何にも興味無いね。だから彼女出来ないのかな?背も高いし、顔だってこんなに格好いいのにね。凄い、不思議。」
「巫女が居るからだろ。」
「ん?僕?...何で僕が居ると、正ちゃんに彼女出来ないの?」
理由を模索するが見当もつきませんといった顔をする巫女都に、「巫女を女だと思って誰も近付いて来ない。」と正太郎ははっきり断言する。
それを受けた巫女都は、そうなの?と素っ頓狂な顔をしたが、次の瞬間にはヘラっと笑った。
「じゃあ、正ちゃん、ずーっと彼女出来ないね。良かった!」
「何が、良いんだ。良かねぇだろ!」
正太郎が巫女都に手刀をかましながら言うと、イタッ!と巫女都は頭を擦りぶすくれ顔。
「...だって正ちゃん彼女出来たら、僕の事放ったらかしにするじゃん。中学の時そうだったでしょ!あの時、淋しかったから。だから、良かったなの!」
そうへらへら笑う顔を見て、悪い事しちまったなと正太郎は苦笑いを浮かべながら、巫女都の頭を撫でた。
「でも、大学は別々だな。巫女は神職の資格取るのにあそこ行くんだろ?」
「うん。一応K學院大學文学部神道学科で希望出してる。けど、正ちゃんも同じでしょ?」
「なんでだよ!何で一般家庭の俺が好き好んで、神職の資格取らにゃならん。アホか。」
然も当然と言わんばかりの巫女都に再度手刀を食らわせてやる。
「もう痛いよ!だってよっちゃんが、正太郎も巫女ちゃんと同じ大学行かせるからねぇ。って言ってたもん!」
「お袋が?.....あのババア。」
こうして二人の将来は着々と親の勝手に進んでいく。
「ねっ!だから、ずっと一緒でしょ?」
嬉しそうに笑う巫女都に正太郎はもう、何も言わずにその頭を撫でた。
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