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困ったなー。正ちゃーんどうしよう、助けてー...。
今、巫女都は途轍も無く困っている。
正太郎が居ない隙にと、他クラスの男子が巫女都を呼び出し、校舎裏の駐輪場で絶賛告白中だ。
巫女都と正太郎は常に一緒に居る事と、男子校という特別な環境下から、学校で周囲に暗黙の了解の如く、同性だがカップルとして認知されている。
たがこうして巫女都を呼び出す輩は後を経たない。
正太郎もまた同じ様なものだが、正太郎がキッパリ断るのに加え、巫女都を見て何も言えなくなる者も多く、正太郎は特に苦にも思って無いが巫女都は違う。
自覚が全く無い上に、それは決まって正太郎が側に居ない時に限って起こる。
同性からの告白に戸惑いは有るが、嫌悪は無い。
しかし、相手を傷付けない断り方が見つからず、いつも困ってしまうのだ。
「好きですっ!!...佐倉居るの分かってるけど、どうしても諦められない!」
何で正ちゃん...?分かんないから、まいっか。しかし困ったなぁ...。
「...あの、僕、男なんで、」
「勿論、分かってる!分かってるけど、巫女ちゃんとあんな事もこんな事もしたいと思ってる。」
......何だろう?
「...あんな事、こんな事?」
「うん。巫女ちゃんにフェラチオさせたり、えっちぃ事したり、その他諸々。」
えっちぃ事!?聞かなきゃ良かった!! ...危ない人だよ。正ちゃーんっ!
「あれっ、おっかしいな。急に耳が聴こえない。難聴かなぁー?」
耳を触りながら、聴こえないフリをして巫女都はその場のフェードアウトを試みる。
「 やっ!? 」
が、告白してきた男子が暴挙にでた。背を向けた巫女都を後から羽交い締めし、首筋に鼻を押し付けて匂いをスンスン嗅いだり、股間を尻に擦り付けたりしてくる。
「 ひっ!? やだ、やだっ!!やめてっ!! 」
「ハァハァ、一回だけっ!一回だけで良いからやらして!!そしたら諦めるから!!」
開襟シャツの上から胸を弄られ、その上あろうことか反対の手で尻をムンズッと掴まれた巫女都は、咄嗟にブレザーの合わせから侵入している手を掴んだ。
「 ちょっ!?やめてった、らっ!! 」
バタンッ!!と盛大な音を立てて決まったのは背負い投げ。男子生徒は綺麗に宙を舞い、コンクリートの上で悶絶しながら腰を擦っている。
あーっ!どうしよ、やっちゃった...、
「あのっ...、ごめんなさいっ!大丈夫ですか!?」
巫女都は未だ悶絶中の男子に恐る恐る近づき、手を差し伸べようと声を掛ける。すると「巫女!」と正太郎の声が聞こえ、パッとそちらを見た。
「触らなくていい。放っとけ。」
「正ちゃん。...けど、凄く、痛そうだよ、」
自分のせいで悶絶する男子を見ておろおろ心配する巫女都を他所に、正太郎はその男子生徒の膨れ上がった股間を見て、苛立たしげな顔して迷わずそこを足で踏みつけた。
ハウッ、と間抜けな声を上げる男子を見て、巫女都が慌てて、「正ちゃんっ!?」と声を掛けてるが、正太郎はそれを無視し、踏みつけている男子に向かって言う。
「 てめぇ、二度と巫女に近づくな。いいな?」
「あ"い」と痛みに耐えながら男子が返事を返すと、ようやく正太郎は足を下ろし巫女都の手を取り、未だ心配そうにしている巫女都の手を取り行くぞとその場を後にした。
いつもの事だけど、巫女が告白されんの見るとイライラすんだよな。呼び出されても無視して行かなきゃいーのによ。
この気持ちの正体に正太郎はまだ気がついていない。
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