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「来るの遅いよ正ちゃん!凄く怖かったんだから!」
「俺が行かなくたって巫女は自分で何とか出来るだろ。現に、さっきだって何とかなっただろーが」
プンプン怒っている巫女都に正太郎はそう言う。巫女都は柔術の有段者だ。巫女都がまだ幼い頃、その容姿のせいで何か起こっては困ると考えた巫女都の親が、正太郎が通っていた道場に護身用に少し出来たらと巫女都を通わせた所、思ってもみなかったことにメキメキと頭角を現した。
だから正太郎は、ちょっとやそっとの事じゃ巫女都は何もされないと思ってはいるが、自分の居ない隙に連れだされた巫女都を必ず迎えに行く。
「そうだけどー。いっぱい触られて怖かったし、気持ち悪かったし。」
不貞腐れて言う巫女都を見て、正太郎の顔が険しくなる。
いっぱい触られただと...?
「おい!何された!?」と険しい顔で身体の周りをぐるぐる見て回る正太郎に、はて?と小首を傾げた巫女都は、
「えっとね、こう...、...出来ないや、ちょっと正ちゃん屈んで?」
後ろに周り、正太郎の背中を羽交い締めにしようとするも身長差から手が届かず、屈んでもらい、
「んだよ」と言いながらも背を屈めた正太郎に抱きつき、先程やられたように正太郎の首筋に鼻を押し付けてスンスン匂いを嗅ぐ。
「こうやってね、匂い嗅がれて、ちょっと今は出来ないけど、あそこ腰に擦り付けられて...、あとはえーとー......」
「 おいっ!!? 」
巫女都に胸を弄揉まれて尻を鷲掴みにされ、正太郎は驚いた。しかし巫女都はそれに構わず正太郎の耳元で、ハァハァと荒い息を吐く。
「一回だけ、一回だけで良いからやらせて?」
「 っっ!? 」
先程の男子のセリフを再現しただけだろうが、それを分かっていても巫女都が言うと妙に色っぽい。その甘い声と耳にかかる吐息に正太郎は固まった。
固まったのは正太郎だけでは無い。ここは校舎前。多くの生徒が巫女都の奇行に驚き、中には前屈みに股間を押さえる生徒まで居る。
そんな事に全然気づいていない巫女都だけが、正太郎に抱きついたまま、
「て言われたんだよー。ね、怖いでしょ?」
と普通な顔をして、正太郎の顔を後ろから覗き込む。
正太郎はそんな巫女都の手を黙ったままスッと引き剥がして降ろすと、何も言わず元来た道へ踵を返した。
「正ちゃんどこいくの?」
巫女都はそんな正太郎の後を小首を傾げて着いて行く。
「アイツはぶっ殺す!!」
「 えっ!? 」
ズンズン進む正太郎の腕を巫女都はガシッと掴むも、力の差は歴然。ズルズル巫女都を引き摺り正太郎は尚も進む。
「しょーちゃーんっ!!もーいーよーっ!!」
「うるせぇ!!やるっつたら殺る!!」
辿り着いた先にあの男子生徒が居なくて、巫女都はホッとしたが、正太郎の機嫌は放課後までずっと悪かった。
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